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「放射能汚染問題と向き合い、われら食と農を語る」分割連載6回目

8月30日 How are you doing

連載6回目

タイトル:「放射能汚染問題と向き合い、われら食と農を語る」

 主催:「NPO食と農」 後援:「財団法人都市化研究公室」

<討論者4人>

小若順一(NPO食品と暮らしの安全基金代表、市民運動家)

 澤登早苗(恵泉女学園大学人間社会学部 学部長 教授、農学博士)

 松下元之(NPO食と農監事、デュ・アン漢方スパ経営、薬剤師)

 宮崎隆典(NPO食と農理事長、ジャーナリスト)

 

松下)小若さんと澤登さんの生の情報を驚きながら聞いていました。
一般の人たちはいろんな方法で情報を得ようとしています、私もそうで
す。でもなかなか的確な情報が得られないという悩みがあります。これ
が今度の原発事故での、私の真っ先の素朴な実感です。

わが社は、デュ・アン漢方スパという店舗を運営しています。お店は
赤羽の
JRの高架下にあり、漢方薬局・漢方整体・カイロプラクティック
・アロマトリートメント(植物療法)の複合店舗です。「一に養生、二に
治療」を前提とした店作りを心がけています。

お客様は治療の目的で最初は来店されますが、どうして病気になってし
まったのか? どうしたら根本解決できるのか? をお客様と一緒に考え、
“養生”の大切さに気づいていただき、そのお客様により適した生活改善
の指導を積極的にしています。それが店舗運営のコンセプトです。

養生の中でもやはり食養生は重要です。玄米菜食、無添加食材、厳選し
た塩・味噌・醤油・油などの調味料、そういった食品を扱っています。そ
して土曜日限定で有機野菜も販売しています。また、当「
NPO食と農」の
関連団体である都市民の週末農業団体「土日農業研究会」の有機野菜も月
に一度、最終日曜日に販売させていただいております。

これらの有機野菜はともに茨城の筑波産なんです。今回の原発事故のあ
と一気に風評被害が広がったので、震災後
1か月半ぐらい販売を中止して
いました。で、いまは販売再開しています。小若さんにお聞きしたいので
すが、一時風評被害の出ていた茨城の野菜の安全評価についてはどうお考
えですか?

小若)さき

「放射能汚染問題と向き合い、われら食と農を語る」鼎談分割連載5回目

8月30日 How are you doing

連載5回目

タイトル:「放射能汚染問題と向き合い、われら食と農を語る】

 主催:「NPO食と農」 後援:「財団法人都市化研究公室」

<討論者4人>

小若順一(NPO食品と暮らしの安全基金代表、市民運動家)

 澤登早苗(恵泉女学園大学人間社会学部 学部長 教授、農学博士)

 松下元之(NPO食と農監事、デュ・アン漢方スパ経営、薬剤師)

 宮崎隆典(NPO食と農理事長、ジャーナリスト)

宮崎)20km圏内にも入ったんですか?

澤登)いいえ、外だけです。

宮崎)澤登さんは放射線物理学とかの放射線の専門家ではないわけ
ですが、農学者でいらして、そのお立場から想像してみて調査された
飯館村では、あるいは
20km圏内のどのあたりなら農業は継続してでき
ると感じられましたか? セシウムなどが相当蓄積しているわけですよ
ね、特に原発に近いところでは。何年か先に農業を再開できる可能性
があるでしょうか、あるいは
10年先とか20年先とかでないと再開でき
ないでしょうか。その辺についてはどう感じていますか。

澤登)私は相当難しいと思っています。農地は、耕さないと、手を
入れないとダメになるという問題もあります。もう一つは水源の問題。
これが汚染されると、耕地に流れてくる。そういったことを考え合わ
せると、汚染が激しい地区は相当広範囲に及ぶでしょうし、農業の再
開が厳しい地区は少なくないと思います。ただ、十把ひとからげには
言えない。山一つ越えると汚染が少ないといったことがあるようです
から。だから、早急に実態調査をしっかりやる必要があります。

宮崎)汚染の深刻な地域が何万ha、住民が何万世帯で何万人・何
十万人に及ぶか分かりませんが、2、
3年先に農業が再開できる見通し
があるというそんなに甘い状態ではないということですね。原発を離
れて、三陸はどうかと見れば街は
壊滅しました。復興計画では、高台
に住宅を造り、職場すなわち漁業などには平地に降りてきてやるとい
う案が出ていますが、農業はそうはいきません。高台や平地とかに関
係なくもう生産の場所たる農地を手放さなければならないというとこ
ろが相当でてくる、ということでしょうか。

澤登)三陸のように津波だけの被害の地域と、原発事故による放射
能汚染が著しいところとで一番違うのは、津波だけの被害の場合には
酷い状況はもう終わっているという点です。今なお海水が溜まってい
て、抜けないところについては、わざわざ水田に戻す必要があるのか
という問題もあると思います。地形も変わってしまっているし、もと
もと湿地に近いところを水田にしたわけだから、そこはもう諦めて違
うところに水田を造るといった発想があっていいもいいでしょう。し
かし、それは放射能汚染の問題がないところに限ります。放射能汚染
の地域は全部が汚染されているだけでなく、いまだに事態が進行中で
あることに留意しないといけません。一番の問題は、一刻も早く原発
からの放射能漏れが止まることですが。その上で、まき散らされた放
射能をどうしていくのか、ということになります。しかし、これを取
り除くことは不可能。畑の除染とか言っていますが、そんな簡単な話
ではないですよ。

宮崎)表土を10cm取り除いて客土してなんて言われていますが、
それが出来るようなレベルとか規模の問題ではないと。

澤登)下水処理場の汚泥からも放射性物質が出ています。だから放
射線は、相当広範囲に拡散されている可能性があり、地下水からも出
ているかもしれません。もう一つ、田中先生はもう放射能は飛んでな
いから安心などと言われているようですが、
3月の水素爆発の際に放出
されたものが杉の葉っぱか何かにくっつき、すぐには吸収されない形
になっている、あるいは土の中にセシウムがあったとしても、何かと
結びついて吸収されないタイプになっている可能性があります。しか
し、これを植物に土の中から吸収させるとずいぶん減る。それで考え
られているのがヒマワリで、ヒマワリを栽培し、土壌中のセシウムを
吸収させ、そのタネから油を搾り、その残渣も含めて東電に買っても
らうという形があります。

松下)それを燃やすんですか?

澤登)燃やして灰にする。その残渣は火力発電で使い、灰は東電に
処理してもらう。作業員は
60歳以上の人たちにして。若い人が作業を
通じて被爆することは避ける。そういうプランをどんどん推進してい
きたいですね。

宮崎)下水処理場の問題ですが、そこらにつては官僚はどういう発
想をもっているのでしょう? これからどうするかということですが、
水道だから厚生行政になるのかな。その汚泥を肥料にしようというこ
とだから、農水省も絡むわけですね。この問題、彼らはどうしようと
しているのでしょう?

小若)畑へ入れる汚泥を200Bqに規制したんです。下水処理場のは
8000Bqという基準です。食品は低くてもが200Bqだから、これを下げ
れば、汚泥肥料ももう少し下げられるのだろうけれど。

澤登)汚泥を大量に処理しようとするのは大変。畑はゴミ捨て場で
はありませんから、基

「放射能汚染問題と向き合い、われら食と農を語る」分割連載4回目

8 月29日 How are you  doing

連載4回目

タイトル:「放射能汚染問題と向き合い、われら食と農を語る】

 主催:「NPO食と農」 後援:「財団法人都市化研究公室」
NPO11年討論会
写真は、左列奥から小若さん、時計回り順に、澤登さん、松下さん、宮崎

宮崎)では、ここでスピーカーを交代し、澤登さんお願いします。
澤登)最初に、さきほどから話題になっている被爆許容量100mSvの話に関連したことをお話します。
つい最近、J-wave(
FMラジオ)のジャム・ザ・ワールドという番組で、放射線医学が専門の東大の中川恵一准教授の話を聞きました。
 それは放射能にも閾値(しきいち)があり、被爆量が
100mSv以上だと癌のリスクが高くなるが、それ以下については影響が良く分かっていない。そのため、被爆によるリスクを直線的と見るのは科学的ではなく、哲学的である、というものでした。
 これは、先ほど小若さんが紹介された、国際的な研究グループが認めている「被爆のリスクは、直線的、閾値なし」という事実に反しているわけで、これを聞いて驚きました。
 私はこの
2月に東京、3月初めに仙台で、消費者庁主催の農薬のリスクマネジメントに関するセミナーにスピーカーとして参加し、他のスピーカーから類似した話を、つまり大半の農薬はあるところまでは健康に悪影響を及ぼさないが、一定以上になると(閾値を超えると)健康障害が出始める、という話を聞き、大きな疑問を抱いていました。
 農薬による健康への影響だって、人によってその人が持っている体質などによって明らかに異なっているのに、被爆リスクについても同じような話が公然とされていることを知り、愕然としました。限られた数字、データを根拠に、ここまでは問題ではありません、と言い切ってしまう科学者の非科学性、そういう研究者が増えていることを私は危惧しています。
 知的想像力を働かせ、命を脅かすかもしれない可能性があることに対しては、ノーという、予防原則の立場を取る勇気を持つことがいま科学者に求められているのでないでしょうか。
 ラジオでは、さきほど話の出た広島や長崎のケースについても触れておられ、遺伝子の欠損についても関係が無かったと話されていました。

 

  私は、有機農業をメインテーマにして、活動しています。有機農業では、食の安心という問題がまず話題になりますが、その際に、ただ単に農薬をかける、かけないとう問題だけでなく、長期的な視点に立って、将来に渡って影響が出る可能性があるものについては、はっきりノーという予防原則的な考え方が必要であることをきちんと伝えていきたいと思っています。
 命を大切にする社会を取り戻していくため、持続可能な社会をつくっていくためにには、持続可能な農業が必要であり、食と農を通じて人と人をつなぎ、コミュニティを再構築していくためには、本来あるべき農業、すなわち有機農業が必要であると考えています。
 そのためには原発事故による放射能汚染の問題についても、単に生産の安心安全というだけでなく、これからの農業や地域のあり方、日本社会のあり方についてまで総論的に押さえて行く必要があると考えています。
宮崎)その通りです同感です。持続可能な社会・持続可能な農業、そして有機農業ということですね。で、有機農業は、食と農を通して人と人をつなぐためにも、コミュニティ作りにも必要だと。澤登哲学ですね。

澤登)福島へは、私も5月の連休のときに調査に入りました。私が会長代行を務めている有機農業学会というのは、有機農業そのものを研究するだけでなくて有機農業の基本的な考え方や望ましい方法論を社会に提示しいくことを目指しています。
 その背景には、「有機農業が社会的に拡大することは、生命や環境への負荷が軽減されることであり、高く評価すべきことである」という考え方があるからです。これまで有機農業の発展・推進のために精力的に努力してきた有機農業者が、原発事故によって深刻な影響を受けている状況を憂慮して、何らかの行動を起すべきだということになり、調査に入ったんです。
 もっと早い時点で声明文

「放射能汚染問題と向き合い、われら食と農を語る」分割連載3回目

8月29日 How are you doing

連載3回目

タイトル:「放射能汚染問題と向き合い、われら食と農を語る」

主催:「NPO食と農」 後援:「財団法人都市化研究公室」

<討論者4人>

小若順一(NPO食品と暮らしの安全基金代表、市民運動家)

 澤登早苗(恵泉女学園大学人間社会学部 学部長 教授、農学博士)

 松下元之(NPO食と農監事、デュ・アン漢方スパ経営、薬剤師)

 宮崎隆典(NPO食と農理事長、ジャーナリスト)

A=(撮影者・「NPO食と農」の会員でオブザーバー)今度の放射能の
問題はレントゲンを浴びる時とどう違うんですか?

小若)胸のCTで6.9μSv(マイクロシーベルト。その1000倍がmSv)ぐらい。
リスクはもちろんありますが、医療面のメリットの方が大きいとして特に規制
はありません。

宮崎)CTは局部的に浴びているから問題は少ないとも言われていますね。

小若)生殖腺に当てないのが医療の原則です。福島県産の農作物ですが、関東
では福島県産の農産物を食べようと応援セールをしている生協や共同購入グルー
プが数多くあります。「福島を応援しよう」「安全です」と言って放射線で汚染
された農産物を若い人、子ども、妊婦にまで食べさせている生協すらあります。
そんな農産物を食べて子供や妊婦がさまざまなダメージを受けたら、生協はどう
するのでしょう。これは生協の犯罪ということになりますよ。若い人と子ども、
妊婦には、積極的に福島県産の農作物を食べさせてはいけません。ボクはそう判
断しています。できるだけ食べないようにしていて、それでも知らずに食べてし
まうと言うリスクがあって、それは許容するしかないのですから。

宮崎)原発は関係ないけれど、阪神淡路大震災のときもそうでしたが、被災者
を応援しようというのは生協のポリシーというか、生協の精神でもある

「放射能汚染問題と向き合って、われら食と農を語る」分割連載2回目

8月29日 How are you doing

連載2回目
  タイトル:「放射能汚染問題と向き合い、われら食と農を語る」

 主催:「NPO食と農」 後援:「財団法人都市化研究公室」


<討論者4人>
小若順一(NPO食品と暮らしの安全基金代表、市民運動家)

 澤登早苗(恵泉女学園大学人間社会学部学部長 教授、農学博士)

 松下元之(NPO食と農監事、デュ・アン漢方スパ経営、薬剤師)

 宮崎隆典(NPO食と農理事長、ジャーナリスト)

コピー ~ 討論会資料1

小若) 資料(※上の写真の右上に累積線量が出ています。浪江町の津島では21mSv(ミリシーベルト)です。問題はその下。累積線量は3月23日からしか調べていません。一番、放射能が出て飛んできているときを除いた累積線量なのです。

ガンも、線量が少なくなっても、一直線に被害が減っていくというのが、国際基準ICRP(国際放射線防護委員会)の考えです。

そこで20mSvまで下げていくとどうなるか。下げていくと、この前NHKでは、20mSv浴びた人は150万人と言っていました。これが正しいとすると、20Svは発ガン率が5%まるという、100Sv5分の1なので、1%高まると見て、150万人なら1500人ぐらいがガンになる危険性があるいうことになります。それに内部被爆が加味されないといけないので、危険性はもっと高まります。

1週間前に現地に行ったとき、映画を作った取材班と一緒に行動していたら、田中俊一という、「ごめんなさい」と言った学者の一人で原子力委員会の委員長代理をやった人と出会いました。この人は良心的な学者で、放射能の除染を行っているとNHKスペシャルで取り上げられていましたが、この先生が、小学校で除染をやっていたのです。

ボクは防塵マスクをしていましたが、田中先生が私のことを指差して「マスクはまったく意味がない。4月以降は放射性物質は飛んでないから」と言ったんです。田中先生は基準以下なら安全という立場だから、そう言ったのでしょうが、でも、それは間違いです。大気中の放射線量は一時より少なくなってはいますが、放射性物質がまだ飛んでいるわけです。できるだけ吸い込まないようにしようという発想をしなければいけないのに、まだ飛んでいるのにマスクは不要などと言っていては、子供に被害が出て、また「ごめんなさい」と謝ることになるでしょう。

日本の法律だと、放射線管理区域の条件である0.6Sv/時(3ヶ月で1.3Sv)を越える地域は、人は住んではいけない、入っちゃいけないということです。そこに住んでいるんですから、せめて子どもと若者だけは県外に出られるように対策をとる必要があります。

また、人が住んではいけないところで作っている農産物を、他人に食べさせていいという道理はありません。福島の農産物はもう食べたくないと多くの人が思っているし、ボクもそう思っています。お気の毒ですが、福島県の東半分ではこれから10年以上、農作物はこれまでのようには売れないでしょう。ボクはそう予想します。

その原因をつくったのは、東京電力と国ですから、事故前の価格で農地を国に買い取らせるのを国に認めさせるべきと思います。それと平行して、売れなかった農産物の補償をさせなければなりません、きちんと。

もともと事故が起こると、国家予算の2倍を超える被害が出ると原子力産業会議は想定していたのです。補正予算が2兆円などというのは冗談のような金額です。

本来なら100兆円を超えるお金を出して補償しなければならないのですが、そうすると国がつぶれるので、政府はケチって出さないようにしているのです。被害者は、躊躇なく裁判を起こして国と東電に損害賠償をさせるべきです。

事故を起こしても、東電も政府もそして産業界も、事故はたいしたことないように見せようという意図がずっと見え隠れしていました。                 (次回に続く)