「放射能汚染問題と向き合い、われら食と農を語る」分割連載4回目

8 月29日 How are you  doing

連載4回目

タイトル:「放射能汚染問題と向き合い、われら食と農を語る】

 主催:「NPO食と農」 後援:「財団法人都市化研究公室」
NPO11年討論会
写真は、左列奥から小若さん、時計回り順に、澤登さん、松下さん、宮崎

宮崎)では、ここでスピーカーを交代し、澤登さんお願いします。
澤登)最初に、さきほどから話題になっている被爆許容量100mSvの話に関連したことをお話します。
つい最近、J-wave(
FMラジオ)のジャム・ザ・ワールドという番組で、放射線医学が専門の東大の中川恵一准教授の話を聞きました。
 それは放射能にも閾値(しきいち)があり、被爆量が
100mSv以上だと癌のリスクが高くなるが、それ以下については影響が良く分かっていない。そのため、被爆によるリスクを直線的と見るのは科学的ではなく、哲学的である、というものでした。
 これは、先ほど小若さんが紹介された、国際的な研究グループが認めている「被爆のリスクは、直線的、閾値なし」という事実に反しているわけで、これを聞いて驚きました。
 私はこの
2月に東京、3月初めに仙台で、消費者庁主催の農薬のリスクマネジメントに関するセミナーにスピーカーとして参加し、他のスピーカーから類似した話を、つまり大半の農薬はあるところまでは健康に悪影響を及ぼさないが、一定以上になると(閾値を超えると)健康障害が出始める、という話を聞き、大きな疑問を抱いていました。
 農薬による健康への影響だって、人によってその人が持っている体質などによって明らかに異なっているのに、被爆リスクについても同じような話が公然とされていることを知り、愕然としました。限られた数字、データを根拠に、ここまでは問題ではありません、と言い切ってしまう科学者の非科学性、そういう研究者が増えていることを私は危惧しています。
 知的想像力を働かせ、命を脅かすかもしれない可能性があることに対しては、ノーという、予防原則の立場を取る勇気を持つことがいま科学者に求められているのでないでしょうか。
 ラジオでは、さきほど話の出た広島や長崎のケースについても触れておられ、遺伝子の欠損についても関係が無かったと話されていました。

 

  私は、有機農業をメインテーマにして、活動しています。有機農業では、食の安心という問題がまず話題になりますが、その際に、ただ単に農薬をかける、かけないとう問題だけでなく、長期的な視点に立って、将来に渡って影響が出る可能性があるものについては、はっきりノーという予防原則的な考え方が必要であることをきちんと伝えていきたいと思っています。
 命を大切にする社会を取り戻していくため、持続可能な社会をつくっていくためにには、持続可能な農業が必要であり、食と農を通じて人と人をつなぎ、コミュニティを再構築していくためには、本来あるべき農業、すなわち有機農業が必要であると考えています。
 そのためには原発事故による放射能汚染の問題についても、単に生産の安心安全というだけでなく、これからの農業や地域のあり方、日本社会のあり方についてまで総論的に押さえて行く必要があると考えています。
宮崎)その通りです同感です。持続可能な社会・持続可能な農業、そして有機農業ということですね。で、有機農業は、食と農を通して人と人をつなぐためにも、コミュニティ作りにも必要だと。澤登哲学ですね。

澤登)福島へは、私も5月の連休のときに調査に入りました。私が会長代行を務めている有機農業学会というのは、有機農業そのものを研究するだけでなくて有機農業の基本的な考え方や望ましい方法論を社会に提示しいくことを目指しています。
 その背景には、「有機農業が社会的に拡大することは、生命や環境への負荷が軽減されることであり、高く評価すべきことである」という考え方があるからです。これまで有機農業の発展・推進のために精力的に努力してきた有機農業者が、原発事故によって深刻な影響を受けている状況を憂慮して、何らかの行動を起すべきだということになり、調査に入ったんです。
 もっと早い時点で声明文