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ほのぼの、笑わされ、納得させられる人生相談の”爽やか間歇泉”をぜひ

8月14日 How  are  you  doing?

オリンピック、長丁場を、いろいろ楽しませてもらって、書きたいことあまた。

でも、当欄のさわやか間歇泉と自認する新聞人生案内の傑作を先に書きたくて。


ほんわか、笑えます、そして納得させられます、腑に落ちます。ぜひご一読を。

読売新聞811の記事。相談者には失礼ながら大傑作ショートストーリーです。

回答者は作家の高橋秀実さん。相談の見出しは「うるさくて臭い父 もう限界」。


 <相談>

高校3年女子。両親と弟との4人暮らしです。父のことで悩んでいます。

まず、父はうるさいです。部屋のドアを開け閉めする際、バタンバタンと大き

な音を立てます。せき払いもやかましくて、父の向かいの部屋にいる私は、勉強

したくても気が散るし、早く寝ようとしてもなかなか寝付けません。

 それ以上に困るのは、父が臭いことです。父が飲み会から帰ると、酒臭さが家

中に広がります。毒ガスが充満したような強烈なにおいで、市販の消臭スプレー

など役に立ちません。頭痛がし、気分が悪くなります。

 私や母は、父にうるささや臭さを何度も指摘し、「静かにして」「飲みすぎない

で」と言ってきました。でも、父は全く理解せず、「また何か言っているよ」ぐら

いにしか受け止めてくれません。もう我慢の限界。このままでは受験勉強の邪魔

になり、父を嫌いになりそうです。どうすればいいですか。(埼玉・K子)

<回答>

お父さんが「うるさくて臭い」とのことですが、あなたのお父さんに限った話

ではありません。男はみんなうるさくて臭い。要するに邪魔なんですよね。

 私も家では日常的に邪魔だと言われていますが、不思議なことにそう言われる

とちょっとうれしくなります。邪魔者としてその存在を認められているからです。

無視されるよりましですから。お父さんもあなたがかまえばかまうほどうれしく

て、かえって邪魔しようとするのではないでしょうか。

 とはいえ受験にさしつかえるのは困るので「いずれ、私はこの家を出ていくし

・・・・・・」と言ってみてはいかがでしょう。急にさびしくなってお酒も控えるよう

になるかもしれません。

 ただ念のために申し添えておくと、アルコールをやめても男は臭いです。加齢

臭ともいわれますが、恐らく我ら男は発酵しているのだと思います。あなたの好

きな人も一緒に暮らせばそのうち臭くなる。お父さんは身をもってそれを教えて

いるともいえるでしょう。

 健康を気遣うあなたの優しさをお父さんはきっと受け止めています。男のにお

いは成熟の証し。臭くて本当にすみません。          (以上)

                         (814 宮崎記す)

人間として成長した寺川綾選手と自分で自分を確認した北島康介選手

8月5日 How  are  you  doing?

ロンドンオリンピックが酣。たけなわ、ってこう書くことをwordで確認する。

五輪は、いろんなことを教えられる、スポーツ・オブ・スポーツってことか。

どの競技も超一流アスリートの闘いはやはり凄い。美しい。あのバトミントン

も凄かった。あいつらのアスリートとしての、人間としても誇りはシャトルの羽

(鳥の羽)より軽し、ということだけど。

日本人の活躍を新聞で読むと、試合の分岐点や綾などTVでは知りえない解説が

面白い。また話題になった選手、とりわけメダリストのエピソードが興味深い。

今日は、日本のメダリスト2人のことを、記憶に刻むために書いておこう。

    ×     ×     ×

女子100m平泳ぎ銅の寺川綾選手は北京代表選考会で敗退後、北島康介を育て

た名伯楽平井コーチの門下生となったが、指導の折々に「でも」と言ってしまう

後ろ向きの姿勢からようやく脱し、いろんな目標設定にチャレンジするようにな

って上達のスイッチが入ったそうだ。そして「人間が変わった」と平井コーチが

新聞でコメントしていて、感動的だった。

 チャレンジし、結果を出して「人間が変わる」とは、なんて素晴らしいことだ。

人生の妙味だと思う。

    ×     ×     ×

 体操のエース・内村航平選手は、団体総合の初戦で外国勢も含め誰も寄せつけ

ない得意種目である鉄棒で、まさかの落下をしてしまった(それでも銀を取った)

が、次の個人総合では、調子を取り戻してダントツで優勝し、「自分が自分である

ことを確認した」とインタビューに答えた。

 大一番に望む人間の弱さと強さを見せつけられたし、人間としての「自分を知る」

という心の営みが、インタビューでリアルに見えた気がした。また、技の習得や

上達は、「自分を確認する」ことなのだなと、体操競技における選手の心の営みに

思いを馳せた。

鉄棒の演技を見るたび、子供のころの大切なおもちゃだったバネ仕掛けの鉄棒

人形の大車輪を思い出すが、選手たちは機械ではない、生身の人間なのだと改め

て認識した。

 「汝自身を知れ」とは古代ギリシアの哲学者ソクラテスの言葉で、「自分を知る」

ことである。自分を知る、っていったって、実はなかなかピンと来ない。いつも、

なかなか。あるSNSで、小生、粗倉哲などと名乗っているけれど。

 「自分が自分であることを確認した」という内村選手のことを、しかと記憶し

ておきたいと思う。              

     ×     ×     ×

 オリンピックの佳話は、尽きない。またネタを見つけたら、書くことでしょう。

当欄の記事、書かずにおられない、思いを共有したい、ぜひ読んでもらいたい、

と思うものを書いていますゆえ。        (85 宮崎記す)

孤独死問題にまでアプローチする消費者個別相談態勢を!

7月28日 How  are  you  doing?

消費者行政のあり方について、このところずっと考えています。少し前にも、

当欄でそのことに触れました。

消費者行政にいま最も求められることは何でしょうか?
 「消費者相談」の充実
だと思います。先にもそう述べましたが、今一度、角度
を変えて、そのことを論じたい
と思います。

消費者相談の充実とは・・・・・・消費者のあらゆる悩みや困り事を引き受ける態勢

を整えることです。財政上の問題で相談窓口が縮小されている現状を前回見まし

たが、とんでもない。この時代、単に窓口を広げるだけでなく“相談何でもOK

の“個別相談態勢”を強化しなければなりません。それがあるべき姿です。ここ
で大事
なことは、財政上、窓口の縮小が仕方ないとしても、個別相談態勢の強化
は必須だということ
です。

なぜ必須なのか? デジタル時代・インターネット時代の進展と、一方における

高齢世帯・独居世帯の急増により、消費者相談の需要は著しく個別的になってきて

いるからです。

また消費者行政の現状はというと、消費者を守る体制は高度に洗練されたもの

になっており、ここにおける消費者行政は“相談何でもOK”の“個別相談態勢”

の構築を次の目標にすべきだ、と私は思っています。

消費者の権利や安全が業者によって犯されるか犯されないかのボーダーライン

の案件も、さらにはボーダーライン以下の案件も、行政はすべての相談を引き受

け、消費者がその案件の解決ができ、悩みから解放されるサポートをしっかり行

う体制作りをすることがいま求められている、と思うのです。

 個別相談態勢の充実により、孤独死だって相当救えるかもしれません。消費者

相談=消費者行政という観点から、孤独死問題へアプローチし実効が上がるなら、

それこそ消費者行政の勝利と言ってよいでしょう。

     ×   ×    ×

消費者行政の歩みを簡単に振り返ると――消費者を守る法律が長年月をかけ、

種々整備されてきた中で、民間ではADR(裁判外紛争解決手続)という消費者・

企業間の紛争処理機関が設置運用されるようになりました。また自治体としては、

例えば東京都の場合、消費者被害救済委員会を設け、消費者からの申し出を受け

紛争解決に向け「斡旋」や「調停」を行い、場合によっては消費者訴訟に対して

訴訟費用の貸付も行うという制度の充実強化を図ってきています。

こうした消費者保護の態勢は、戦後「主婦連合会」などによる不良マッチ追放

運動から始まり、物価との戦いや反公害運動を経て消費者が勝ち取ったもので、

いまや体系的により良く整理洗練され、まずまず評価できるレベルまで到達して

いると言っていいでしょう。

一方、そうした歩みの中で「自立する消費者」という目標を掲げた行政の各種

啓発事業が効果を上げ、消費者の自立は相当進んだとも言えましょう。

しかしそれでも、先に述べたように、時代の変化の中で消費者被害や消費者の

悩み・困り事は絶えず、多くの消費者が「迷える子羊」的存在だろうと私は見て

います。だから、“相談何でもOK”の“個別相談態勢”が必要なのです。

その態勢を有効ならしめるには、力量のある相談員をどう確保するかがカギな

のはいうまでもありません。相談員の力量をアップさせるための訓練も必要です。

そのことについては別な機会に検討することにします。

ところで、パソコンやスマホをもたない・利用しないといった人達、あるいは

相談窓口の存在を知らない情報弱者にどう対応するかが、1つの重要なポイント

になります。この問題もなかなか厄介、別な機会に考察することにします。

                        (728 宮崎記す)

今一度、作家・久田恵さんの心にしみる人生案内

7月20日 How  are  you  doing?

人生相談(案内)を、いま一度。

読売新聞7/20の人生案内、作家・久田恵さんの回答が心にしみます。

<質問>

 在宅ワークの30代半ばの女性。小学校高学年の娘がいますが、子供のいな

い人生を想像してしまいます。

 まだ子供を望んではいなかった20代前半に、娘を妊娠しました。出産し娘

が1歳の時に仕事に復帰しましたが、残業や休日出勤もある忙しさのなか、娘が
病気
で入院するなど、大変でした。夫も仕事が忙しく、早朝から夜遅くまで不
在。ス
トレスがたまりました。

 さらに、夫の転勤で私は仕事を辞め、家族で地方に引っ越しました。慣れな

い土地で育児と家事だけの日々が数年続き、不安と焦りで追い詰められた私は、
の会社に事情を話して元の勤務地に戻してもらいました。

 私には、結婚後も共働きしてお金をため、大学に行くという夢がありました。

それが妊娠でかなわなくなりました。子育てが落ち着いた今、進学の希望をも
ばよいのですが、もうそんなエネルギーはありません。元気のない自分に失
望し、
心が満たされない毎日です。

<回答>

 計画通りにいかないのが、人生。誰の上にも予想しないことが降ってきます。

その中で、人はいろんな選択をして自分の人生を形成していきます。

 選択のたびになにかを捨て、あきらめ、代わりになにかを得て、新しい目標

や夢をもつのです。その選択をしたのはあなた自身、誰のせいでもないのです。

にもかかわらず、失ったものを嘆いていたら、その時あなたが得たものの大事

さ、重要さには気づけません。

 子育てと仕事の両立は、確実にあなたの力量を増したはずです。夫の転勤で

味わった焦りは、あなたに人生のなんたるかを教えたと思います。目標だった

大学進学への意欲がわかないのは、それがあなたを突き動かす夢ではなくなっ

たからではないでしょうか。

 人生を元に戻すことはできません。でも、今、手に入れているものを存分に

生かして、何度でも方向転換が可能で、新しい夢を描き、新たしい出発ができ

ます。

 だから、今の「満たされない心」に「これだ!」が降ってくるのを待ってみ

るのもいいのではないでしょうか。人生にはそういう時期も必要だと思います。

            ×    ×    ×

 久田さんの、深い人生観に基づいたなんと優しくすっきりした回答でしょう。

きっと相談の女性もそれを感じ、大いに気持ちの整理がつき、励まされたのだ

ろうと想像します。

 人生には、いろんな悩みがあります、その悩みを乗り越えるために「芸術」

があります、などと哲学的なこと(ショーペンハウアーがそう言っている)を
述べ
たり、人生を充実し力強く生きるためには、何か「生き甲斐」をもつこと
です、
などと人生論的なことを述べたりする人生案内もあるでしょう。

 久田さんはそういう観念的アドバイスを捨て、相談者の心を適確に読み取り、
実際
的な心の持ちようを、琴線に触れる言葉でアドバイスしています。きっと

相談者の心に「これだ!」というものが湧いてくる、頭上に「これだ!」とい
ものが降ってくることでしょう。あるとき、ふっと。
 そうならいいなあ、と私は
読みました。     (720 宮崎記す)

続けての人生案内で、作家出久根達郎さんの明答

7月13日 How  are  you  doing?

 消費者行政・消費者団体活動のポイントは、消費者相談の充実である。消費者

の悩みごと・困りごと相談の手本は、新聞の人生相談である――。当欄でも繰り

返しそう書いてきた。読売新聞の「人生案内」における名答として先日、久田恵

さんによる相談内容を収載した。書かずにおれない名答だった。

今日は、同欄の7/13付の出久根達郎さんによる相談を収載する。一篇の小説を
読んだよ
うな読後感の、「歯切れ良い」明答である。出久根さんの小説風答えに
続き、私
ならこう答えるという実際篇的アドバイス部分を一言添えたい。

出久根さんは古書店の店員から社会人をスタートし、古書店経営をしつつ作家

活動をし、直木賞を受賞された異色の小説家でいらっしゃる。店の奥からじっと

外の世界を、うごめく人間を観察してきたとでも言うような、深い人間観察眼・

洞察力をもって、人間と人間社会を見ていらっしゃる(と私は見ている)。そん
作家の、一つの人生案内である。

       ×     ×     ×

<相談>

50代男性。妻と会話のない日々が続いています。

結婚してまもなく私の母が病気になり、以後車いすの生活になりました。それ

から十数年間、妻は母の看病や通院の付き添いをほとんど一人でしてくれました。

妻は口うるさい母の八つ当たりに耐え、さらに娘の出産や育児と、大変な日々を、

愚痴も言わず手も抜かずに頑張ってくれました。私は独立して事業を始めました

が、その仕事も手伝ってくれました。

 数年前、妻の父が病気になり、妻は通院に協力したいと相談してきました。私

は仕事が忙しく、自分の母親のこともあるので「実家のことは同居の妹さんに任

せろ」と答えました。妻は「少しは私の親のことも考えて」と言いましたが、「俺が

悪い人みたいに言うな」とどなりつけました。

 それ以降、妻は必要なこと以外、私と会話しなくなりました。家事や仕事は、

以前と変わらずにやってくれますが、私を見る目は冷たいです。金銭的に困るこ

とのない生活をさせているし、実母も現在は介護施設にいます。なのに今の状況

は不愉快です。早く、元の優しく明るい妻に戻って欲しいのですが。

<答え>

 奥様がどうしてあなたに冷たくなられたか。そして以前のような優しく明るい

妻に、どうすれば戻ってもらえるか。理由も方法も、あなたはご存知である。何

も私に聞くまでもない。

 ではなぜこのようなご相談を寄せられたのか。自分の妻への意見は、正当であ

るか不当であるか、判断してほしいということでしょうか。まあ、少なくとも奥

様には不快だったわけですから、その限りでは正しいとはいえませんね。

 いや、間違いとか正しいとか、そういうことじゃなく、あなたの考えが冷たす

ぎるのです。あなたは悪いことをしているとは、さらさら思わない。思わないこ

とが冷酷なのです。

 あなたは健康だから、病人のつらさがわからない。しかし、病気をしたことが

なくても、つらさを知る人はたくさんいます。想像力と思いやりを持っているか

らです。あなたにはこれが欠けています。事業に成功したのは奥様がいたからで

す。その重要さに、まだ気づいていらっしゃらない。

      ×     ×     ×

<蛇足の助言(私の。回答の字数にもっと余裕があればの前提で)>

 数年前の、あなたの態度が奥様の心を閉ざしてしまったのです。すぐには閉ざ

された心を氷解させることはできません。彼女の優しい明るい心をあなたが取り

戻すには、やはりそれなりの長い時間がかかるでしょう。数年間かもしれません。

さあ、どうやって氷解作戦にとりかかるか。夫婦の会話がまったくないわけで

はないということに、糸口を見出しましょう。食卓で一緒に食事をするときなど

を捉え、仕事の話を持ち出し、「今日あるのは君のおかげだ」(お前と呼んでい

らっしゃるなら「お前のおかげだ」)と話しかけるように“つぶやく”ことから、

まず始める。そして次第に“話しかける”。さらに、「君のおかげだ、感謝して

いる」と話しかける。次に、感謝している仕事上の出来事を具体的に挙げて話す。

 その間にも、仕事以外の、妻のおかげで助かったことを具体的に挙げて、「君

のおかげだ、感謝している」と話す。そのようにして妻の心をほぐしていくのが

良いでしょう。そして、折を見て、「君のお父さんのときは悪かった」と詫びる。

このプロセスを我慢強く続けることです。いきなり「君に話したいことがある。

あのときは悪かった、謝りたい」と切り出しても、効き目はないでしょう。態度

で示そうと、たとえ手をついて謝っても、やはりダメでしょう。

態度で示そうとするなら、やはり時間をかけて、反省しているというあなたの

気持ちを我慢して伝え続ける姿勢を示すことだし、母の日や彼女の誕生日とかに、

お詫びの気持ちが伝わる何かをプレゼントするのも一