Author Archive: miyazaki

関東産の有機野菜は放射能が危ないと、購入契約中止が止まらない

5月30日  How  are  you  doing

 放射能のリスクを避けたいので、関東地区の有機野菜はもう買わないと千葉県

の有機野菜の集荷販売業者(A社)の顧客が、311以来、量販店も個人も次々と

購入を中止し、売上が激減しているそうだ。そんな社長の嘆きを昨日、聞いた。

A社の扱う野菜は「JAS有機」による格付けを得ている有機野菜が中心で、それ

プラス減農薬などの特別栽培野菜。生産者は全国に散らばっているが、関東各県

が過半を占める。

取引相手は量販店と個人で、月商合計約2500万円だったが、東電福島第一原発

事故以後、関東以外の農産物でなければ買わないと顧客離れが進み、現在約1500

万円までダウンしたという。400人もいた個人客は1割まで激減。そもそも安心・

安全な食材を求める「こだわり派」の消費者だったから、放射線量の国の安全基準は

完全にクリアしていると説得しても「関東の野菜はやっぱり食べたくない」という

スタンスを覆すことはできなかったという。

 放射能に対する過剰反応が過ぎるのでは? という見方をする人も少なくないだ

ろう。しかし、現実はそうではないということだ。安心・安全を求めるこだわり派

の消費者の判断はシビアなのだと改めて思い知らされる。

 A社の社長も嘆きつつ、こだわり派の食哲学が良く分かっているので、仕方ない

と諦めている。一旦離れた顧客は、セシウムなどの放射線の影響が数十年にも及ぶ

ため、A社が関東地区以外の有機野菜の生産者を獲得するまでは戻らないだろう。

 社長はその方向を目指しつつ、関東の有機野菜を買ってくれる新しい顧客を獲得

する作戦に打って出るプランを立てた。有機野菜の良さを、生産の現場から発信し

ようというTV番組作戦だ。

今日のレポートはここまででストップしなくてはならない。6月7日から某局で

長期シリーズの第1回目が放映されるそうだ。1週間先が私も楽しみだ。みなさん、

もうしばらくお待ち下さい。           (530  宮崎記す)

洋上風力発電で原発5基分560万kwを2030年までに発電とは悠長な

5月26日 How are you doing

脱原発を目指すとして、できるだけ環境負荷の小さい発電システムをどう構築するか。
自然エネルギーによる発電技術・発電システムの研究はどう進んでいるのだろうか?
多くの国民がそう思っている。即脱原発というのは短兵急過ぎる。そうも思っていよう。

海洋国日本らしく、「海」を活用すべきと誰もが思っているに違いない。波力はもちろん、
「洋上風力」もある。いささか旧聞になるが、5/15の読売新聞に掲題の記事があった。
環境省と経産省が別々に実証実験をへて実用化を目指すそうだ。なぜ一本化でなく?
それより、目標年度が余りに遅い!  相当イケそうなのに! その記事ベタッと書きます。

環境省は海に浮かべた風車で発電する実証事業を長崎県の五島列島・椛島(かばしま)
沖で月内に始める。陸上より効率が良く、住民への騒音や低周波音もない利点がある。
同省は、有力な再生可能エネルギーとして大規模な導入を目指す。
試験機は羽の直径22メートルの小型のもので出力は100kw。内部が空洞のため浮き、
下部の重り(バラスト)で倒れない。ワイヤで固定して流されないようにする。海底に支柱を
固定する「着床式」に対し、「浮体式」と呼ばれ、政府では初となる。月内の波の穏やかな日
に同県・佐世保の工場から船で運ぶ。
日本では、風の強い陸上の適地は限られるが、四方を海に囲まれている
ため洋上には適地
が多い。水深200メートルまで設置でき、最大出力に対して実際に発電する割合は平均で
陸上20%に対し、洋上なら33%まで高まるとみている。
実証試験で発電の効率や環境への影響、安全性を検証し、来年度には直径約80メートル
の羽根の大型機(出力2000kw)を導入する予定。同省は2016年度の
実用化を目指し、
30年には洋上で原発5基分以上に相当する560万kwまで拡大したいという。
経済産業省も企業などと共同で福島県沖で浮体式の実証試験を計画しており、16~20
年度で143基を浮かべて原発1基分の100万kwを確保するという。

送電をどうするのか。コストはどのくらいなのか。重要な点がはっきりしない。でも原発5基分、
原発1基分の発電が可能というのだから、現実味があるではないか。もっと早くから、こうした
自然エネルギの技術開発が進んでいたらなあ・・・。原発の安全神話に頼ってきた文明に対
する不明が悔しい。そう思う、痛切に。   (5/26 宮崎記す)

熱しやすく冷めやすいか日本の消費者考~食と農の交流会と併せて

5月24日  How are you doing

日本の有機農業がずっと停滞していると、先日書きました。その理由を精細に

調べることも大事であると。消費者サイドの問題はどこにあるのでしょうか? 

その点もきっちり検証しないといけませんが、私が現時点で感じていることを

大雑把に述べておきます。

以下は、さる523日、「食と農」というテーマに関心のある人たち30数人

(ビジネスマン、運動家、研究者、コンサルタント)が参加した「NPO食と農」

主催の「食と農を語る交流会」で配布した、会の主旨をペーパーにした理事長・
私の文章
ですが、この中で、消費者に帰さるるべき有機農業停滞の原因の一端に
つき触れてい
ます。そのペーパーの文面を少し手直しして、ここに記載します。
 なお、交流会については、近日中に稿を改めてご報告します。

人の生存の根幹たる「食と農」が日本ではまったく奮いません。有機農業につ
いて考えると、1990年代からようやく陽があたり始めました。戦前にはあったの

ですから復活し始めたと言ったほうがいいかもしれません。2006年には有機農業

推進法が議員立法で成立し、「有機JAS」も何度目かの改正が先月施行されたばか

りです。有機農法や有機農産物の流通に関するルールが相当細かく定められてい

ます。生産者はそのルールに合わせて、より良い産物を作ろうと一生懸命になっ

ています。ところが消費はどうかというと、この10年、あるいは20年のスパン

で見て、ほとんど横ばいです。正式な数字はわかりませんが、有機農業の農地の

利用農地に対する割合は約0.2%程度です。実にヘンな構図です。

 ヨーローッパでは各国とも堅実な普及ぶりです。オーストリア、スウェーデン、

ラトビア、イタリアなどがトップグループで、有機農業の農地が利用農地の10%

前後までにもなっています。ドイツは約5%、フランスが約2%で、日本よりも

はるかに高いです。

この差は何でしょうか? 精細に分析する必要がありますが、大雑把に言って

しまえば、消費者の意識の

オンリーワンの長谷川章作品に涙する矍鑠と生きる老の美しい涙

5月18日  How are you doing


2つのことを書きます。

1。お知らせです。「NPO食と農」が主催し「食と農を語る交流会」を開きます。

522()午後6時~8時半。東京飯田橋の「東京ボランティアセンター」で。

人の生存の根幹たる「食と農」が、揺るがぬ軸と成る新しい日本社会のフレーム

を作るため、そして「食と農」の活性化のため、みんなで知恵を出し合おう――

というフリートーキング(参加無料)の会です。

食と農に係わる人たち――NPOの人、社会活動家、学者、ビジネスマン、コン

サルタント、消費者団体の人、など約40人が集います。会の趣旨に沿い、それ

ぞれの立場からいろんな意見が出されるはずです。そこから、食と農活性化の
ため
の新し視点なりプロジェクトなり連携なりが生まれるでしょう。

同じ会場で会を重ねて行く方針です。読者の皆さんの飛び入り参加も歓迎です。

名刺を沢山もってご参加下さい。

2。その打合せを一昨17日に、東京三田の「さぬき倶楽部」(地下鉄麻布十番

駅近く)の中庭でやりました。一般社団法人・熟年会議所の理事長、その理事

の長谷川章氏、JONA(日本オーガニックナチュラルフーズ協会)元事務局長

の高橋洋介氏、ほかに小生ら4人が緑陰に集い、意見交換しました。

長谷川氏は、デジタル掛け軸、と呼ぶ光の芸術――岡本太郎の「太陽の塔」とか、

鎌倉の八幡宮とかに七色の光を当て、壮大な幻想のオブジェを現出させる――

独特の技をもつオンリーワンの世界的アーチストです。ネットで作品群をご覧
さい。どなたも唖然とされるでしょう。

その長谷川氏のグラビアの作品集がテーブルの上に出されました。また、もう
つ、マチスの絵を思わせるような煌びやかな作品がデジタル化され、ノート
型の
ディスプレイ画面に30秒ごとにスライドして映し出されました。小生は、
作品集
は以前に見ていたので画面に見入っていて、ひょいと顔を上げると、おや
おや目の前の高橋
氏が作品集を見ながら、その素晴らしさに感激し、顔をくしゃ
くしゃにして「いいねえ
いいねえ」と横にいる長谷川氏を褒め称えるのでした。
人が美しいものに感動し、
涙し、素直に喜ぶ姿はなんとも美しく、貴いものに
思えました。小生も涙腺が緩む
のを覚えました。

その高橋氏は79歳です。ちょっと前に今のその年齢を聞かされ、「あと30年生き

たい」とぴょろっと口にされたばかりでした。79歳なので「老」と称しても怒ら

れはしないでしょう、ぴしっとネクタイを締めた温和な顔の「老」の涙はなんと

も美しいものでした。めったに見ない老の純粋な姿でしたし、110歳まで生きると

高言されたことも驚きでしたが、それは純粋さに繋がるのだろうと思いました。

高橋氏、いまはオーガニック技術研究所を主宰されています。もちろん有機農業・

有機農産物理論の現役第一人者です。

高橋氏も5/22の「食と農を語る交流会」に参加されます。長谷川氏は半分東京・

半分小松市(石川県)の生活とのことですが、この日は他の用事が入っているよう

な話でした。残念ながら不参加でしょう。


さて。長谷川氏の、卓上で披露された映像を演出する、氏のデジタル技術は元々、
長谷川
氏は電子工学が専門だそうで、驚くに当たらないのですが、SNSの革命的
新機能
ソフト(エンジン)を氏が中心になって開発した、と詳細を打ち明けてく
れました。

一同卒倒しました。それが何か・・・・・はここではまだ書かずにおきましょう。氏は

小生が、口にチャックのサインをし、口外してもいいかと聞くと「OK、問題ない」

と言うことでしたが、小生なりに、ここで留め置くのがブログの限度だろうと考え、

ジエンドとします。            (5/19未明 宮崎記す)

 

日本の有機農業はなぜ停滞したままか? カンフル剤はないのか?

5月13日 How are you doing

【停滞したままの日本の有機農業のカンフル剤はオーガニック・ポイント制】

日本の有機農業は停滞したまま。そういってほぼ間違いない。消費者みんなが

気付いている。有機農産物の生産者も肌で感じている。流通業界もまた然り――

だと私は見ている。

有機農業の日本の歴史は、詳しくは省くが、そう長くはない。2006年制定に

有機農業推進法が制定されたし、改正「有機JAS法」が去る427

から施行され
ている。有機農業に関する「有機JAS」の農法の規定は精密・厳格を極める。

しかし、簡単にいえば、農薬を一切使わず有機肥料のみで栽培する有機農産物

は正確なデータはないが、日本では流通量の1%に満たないのが現状。ざっくり

言えば同推進法が制定された時点とほぼ変わりない。「有機JAS」に目を通してい

ただきたい。農法についての、また流通させる段階での細かい規定がよくぞここ

までというほどあり、逆にそれが生産者に二の足を踏ませているのではないかと

疑いたくなるほどだ。細かい規定は、コーデックスなどの世界基準を踏まえたも

ので、必然の流れと言えばその通りだ。でも、流通量は、ヨーロッパでもお隣り

韓国(有機農業では日本より後発)でも数%とも言われ、伸びている。

 なぜか? 消費者の有機農産物に対する消費行動が、ヨーロッパや韓国の方が

地に足がついている、ということだろう。日本では、有機農産物を「安心・安全」

だと見る志向はあっても実際の消費行動に結びついていない、「安心・安全」は掛

け声だけで、うわっ滑りということだろう。

 このことに私が理事を務める、ある有機農業生産者団体(NPO)では、理事たちも

生産者たちも強い危機意識をもっている。毎年何回か開く理事会では、その打開策

を話し合う。いまのままだと5年経ってもあるいは10年経っても現状打破はでき

ないのではないか、という悲観論で一致している。

 さあ、どうするか。有機農業推進法を作り改正法が施行されたが、農水省は本気

で有機農業を推進しようと言う気があるのか、と私は言いたい。法律を作りっぱな

しで、普及の運動を何もしていない。いや、皆無ではないが、無いに等しい。

例えば、エコカーの助成金や電気製品のエコ・ポイントはどうだ。そういう実効

方法が、必要ではないのか。農水官僚の、頭の硬さ、センスのなさのせいかどうか

は知らないが、何か手を打たなければこの「消費量1%」の停滞状態の打破はでき

ないだろう。アイデアはいろいろあるし、予算も工夫次第でもっと有効な使い方が

できるはずだ。経済産業省を見習って、例えばオーガニック・ポイント制度はどう

だ、そう言っておこう。

 エコカーやエコポイントでは、流通業を商品普及にきちんとビルトインしている。

そこらを見習うべきだ。有機農業推進には、そこが欠落していはしないか。農業者

だけが頑張っても、流通量はなかなか増えないだろう。

 もう1者。消費者のうわっ滑りな安心・安全志向についてはまた稿を改めたい。

                    (5/13朝  宮崎記す)