活動レポート

市販の弁当やレトルト食品は軒並みミネラル不足

2月23日。コンビニやスーパーの弁当は、美味しく味付けされ食品群もバラエティ豊かに作られていて、良く買われていますね。私も時々。確かに便利です。でも「カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛、銅などの大切なミネラルが決定的に不足している」--そんな実体調査の結果を、8年間もその調査を行っている「NPO食品と暮らしの安全基金」の小若順一代表に「医食同源研究会」で発表してもらいました。まれに”合格点”のものもあるというレポートです。以下はその講演録。読んでみて下さい。市販弁当を頻繁に食べる人は要注意ですよ!!

【NPO研究会「食と農と健康を見直す~医食同源研究会~」の第2回講演】

●●講演タイトル「ミネラル不足食品の問題を考える~ミネラル足りて、病気が治る~」●●講演者:小若順一氏(NPO法人食品と暮らしの安全基金代表)●●日時・場所:2015年11月5日(木)午前10時~12時  於:東京市民ボランティアセンター●●共催:NPO食と農と健康/公益財団法人都市化研究公室

 ≪講演の概略≫

1)講演の内容は一言でいえば、「NPO法人食品と暮らしの安全基金」が市販の冷凍食品・レトルト食品・惣菜・弁当等を購入し公的検査機関に依頼し、主要ミネラルの含有量を検査する活動を過去8年に渡って行っている実績に関するレポートである。その結果は、調査した市販の冷凍食品や弁当のほとんどが主要な微量ミネラルのカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、カリウムにおいて、厚労省が定めた「食事摂取基準」の基準値を著しく下回り、「まったくの危険ゾーン」にある――というものであった。小若さんは「推奨量」の半分以下しか摂取できない状態を指して、「全員病気のレベル」、4分の1を下回ると「死ぬレベル」という言葉で表現した。そのくらい危険だ! という感覚的表現である。つまり、その食品・料理だけを毎日長い期間食べ続ければ「ミネラル摂取量はまったくの危険ゾーンである」というのが、小若さんの評価の真意。長い期間とは、例えば「1ヵ月以上」と小若さんは指摘した。食事摂取基準は男女・年齢別に定められ、微量ミネラルのカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅は「推奨量」と「推定平均必要量」(推奨量より少ない)が示され、カリウムは「目安量」が示されている(下方の写真参照)。

2)厚労省の食事摂取基準は、例えばカルシウムなら1日に食べるすべての食品から基準量を摂ることになるその基準(他のマグネシウムなども同じ)である。同法人が調査した弁当の実測値はその弁当と同じ程度の栄養量をもつ弁当を日に3度食べると仮定し、3度分が基準値と比べてどうなのかを見る視点が現実的意味をもつものと思われるが、検査結果はそう見てもほとんどが危険ゾーンにある――というものであった。大手メーカーの各種冷凍食品もレトルト食品も、話題の「食事」業者の食品も大学の学食の弁当もほとんどが危険ゾーンだった。実にショッキングな結果だが、稀に合格点の食品もあり、合格の有名弁当店の弁当1点が目を引いた。以下の6)で具体の結果を示す。

3)では、ショッキングな検査結果の原因は何なのか? 原因の1つは弁当などの調理食品の食材が多くは加工食品であり(東南アジア等からの輸入品も多い)、「水煮」加工されているので、その過程で、多くの食材から大切なミネラルが大量に水の中に抜け出しているため、と小若さんは指摘した。そのことも含め、原因を以下の7)にまとめて示す。

4)同法人のミネラル不足食品の検査結果は、同法人発行の月刊誌『食品と暮らしの安全』でずっと公表されていて、今講演では15年10月発行のNo.318号が参加者に無料進呈された。その裏表紙に示された最新の結果を下に掲載する写真で見ていただこう。検査結果は、グラフを使い分かり易く現わされている。同号の検査食品は「しじみ・あさりの即席みそ汁」で、しじみ6品と、あさり2品を混ぜて実測したもの。調査では、基準を何に求めたか? 冊子の字が小さいので明記すれば、『豆腐みそ汁:主食・主菜・副菜料理成分表』より「足立巳幸監修」(足立先生は第一線の栄養学者で女子栄養大学名誉教授)とある。その基準は厚労省の食事摂取基準に基づいているのは言うまでもない。つまりミネラル栄養調査の基準とすべきは、ほかならぬ正にその基準である、というわけだ。同法人のこれまでの一連の食品検査は、すべてそれを基準(拠り所)にしている。検査の依頼先は「埼玉県食品衛生協会検査センター」である。

5)「しじみ・あさりの即席みそ汁」の検査結果は、これも字が小さいので明記すると、カルシウムは、「推奨量」が217mg(「推定平均必要量」が183mg)に対して、実測値は19mg。マグネシウムは、推奨量が97mg(同80mg)に対して、実測値は18mg。鉄は、推奨量が3.5mg(同3.0mg)に対して、実測値が0.5mg。亜鉛は、推奨量が2.7mg(同2.0mg)に対して実測値が0.2mg。銅は、推奨量が0.27mg(同0.20mg)に対して実測値が0.06mg。カリウムは、目安量が667mgに対して、実測値が118mgだった。

食品と暮らしの安全318号の裏表紙160111

 6)食品ごとの調査結果・・・・・・・

ほとんどの食品でカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、カリウムで基準値を大きく下回り、多くがそれだけを食べ続けると「危険ゾーン」とされるものだった。それらの食品を以下に列挙する。ただし、カッコ内には“グッド・ニュース”、つまり例外的な合格品であったり、食べ方に注意したり自分で食材を加える工夫をすれば、危険度が改善されるという“小若さんアドバイス”を付記する。それにもご注目を。

ほとんどが「危険ゾーン」という食品群は以下である!!

コンビニやスーパーの弁当(「米八」の弁当だけは合格点)、宅配弁当、冷凍チャーハン、天丼、牛丼(具の大盛りならいくらか良い)、チーズ入りハンバーグ、ラーメン店のラーメン(塩分が多いが、スープを飲み干せばミネラル分の問題はいくらか解消される)、焼きそば(まったくダメだが、アオサを沢山かけて食べるとマグネシウムが改善される)、レトルトカレー、エビピラフ、ポテトサラダ、マカロニサラダ、ゴボウサラダ、おにぎり類(シーチキン、コンブ、紅シャケなどすべてダメ)、回転すしの寿司(ただし「がってん寿司」「銚子丸」の寿司は亜鉛だけ足りていた。アオサ汁を飲めばマグネシウムが補強されるのでベター)、ハンバーガー店のハンバーガー(鉄だけ足りていた。チキンやチキンナゲットなどチキン系統はダメ)、店のギョウザetc・・・・・。

特筆すべきは、厚労省の職員食堂の定食もダメ、女子栄養大学の学食のランチもダメ。それに対して、国立オリンピック・スポーツ科学センターの栄養指導食堂の1食分の料理は、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などがすべて基準達成だった。「オリンピックに出場する、あるいはその候補のアスリートのための食事だけに、特別待遇らしい内容だった」と小若さんはコメントした。

 7)ミネラル不足の原因・・・・・・・

 ①水煮食品の増加。上記3)で見た通り、調理食品の原料には数えきらないほど多くの加工食品が水煮加工され使われていて、原料の食品からミネラル分が抜け出しているのが第1の原因。ニンジン、イモ類、キノコ、豆類などが、人件費も原材料も安い中国やベトナムで水煮され、何度も良く洗って(ここでもミネラルがさらに抜け出す)、パックし加熱殺菌され輸入されているのだ。

 ②玄米を精米し(精製し)白米で食べる人が圧倒的に多いが、その際に削り落とされる玄米の糠の部分に各種のミネラルが含まれていて、ミネラル摂取の機会をわざわざ捨て去っているケースのごとく「精製食品」が増えているのが2つ目の理由。コメ以外では、精製油脂が幅を利かせている点も大きな問題。

 ③加工食品の多くに、いろいろなリン酸塩が食品添加物として、結着剤、乳化剤、Ph調整剤、酸味料の目的で使われているが、体内からリン酸塩が排出される際、ミネラルもそれに捕捉され体外へ出てしまうのが、3つ目の理由。ミネラル量の検査時点というより、市販食品を食べたあと、食品に含有されていたミネラルが(そもそもほとんどが「危険ゾーン」の量なのに、そこからさらに)減ってしまうというわけだ。

8)講演では、こうした問題点に続いて、同法人が独自に商品化している、煮干やアゴ(飛魚)などを原料に製造する無添加の「天然だし」を食べた人達が、さまざまな病気や体調不良を克服したという沢山の事例を小若さんが紹介した。その天然だしは、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、カリウムなどのミネラルをたっぷり含有しているため、脳や神経、ホルモンの働きが正常化し、体調が良くなるだけでなく、病気の改善にも大きな効力を発揮するのは当然、と小若さんは強調した。沢山の事例のうち印象的だったのは、アスペルガー症候群と診断された小学生が、天然だしを食べるようになって、学校では落ち着きがなく授業もちゃんと受けられなかったのに、見る見る精神状態がよくなっていき、次第に成績も向上し友達も出来ていったという報告だった。2010年に発行された『食べなきゃ、危険』(三五館。小若順一・国光美佳著)にその回復ぶりが詳しく紹介されている。

 ※上記6)に書いた「危険ゾーン」の食品に関する記述は講演のダイジェストである。市販食品のミネラルがこうも不足しているのかという全体の理解をしていただくために、わがNPOのHPではダイジェストを公開することにした。企業名や店名を挙げて講演した小若さんの詳細な講演録は私の手元にある。ミネラル不足食品の8年間に及ぶ、同法人の全部の調査結果を知りたい人は、「NPO法人 食品と暮らしの安全基金」(電話048-851―1212)へお問い合わせ下さい。              (文責:宮崎)

 

桑の葉茶と冬虫夏草の健康食品で”健康作り”

2月21日 標題の研究をした岩手大学特任教授・鈴木幸一先生独自の食事を紹介しないといけません。以下の通りです。ご飯少な目などが目を弾きます。どうぞ、ご参考に。

<私の食事は野菜・蛋白・炭水化物は2:2:1の割合、桑の葉茶を朝昼晩に>

● 私の食事をご披露する。最近は健康のためにロー・カーボハイドレイト(炭水化物を低く)が説かれているが、私はその考えを中心に置いている。まず朝。納豆、野菜の酢漬け=キュウリ・ショウガ・タマネギの一夜漬け。卵焼き、ソーセージ、トマト、キナコとゴマ入りのヨーグルト・・・・これらをほとんど欠かさず。そして365日、リンゴ。ときどきプラス1品で、今日のために奮発して作った牡蠣のオリーブ焼き。それらに加え、桑の葉茶を飲む。また食前30分に朝晩の2回、冬虫夏草を飲む(カプセル化したもの)。昼はナッツ類、竹輪、野菜、味噌スープ(昆布とろろ、鰹節、ベビーチーズ入り)で済ませる。夜は、大学の近くの外食店で食べることがほとんどで(朝10時半~夜11時45分、研究室に詰めているため)、例えば、ご飯を4分の1ぐらいにした豚バラ丼、味噌汁、一品の野菜料理。少しは炭水化物もあった方がよいと考えて、店にそうしてもらっている。私の食事は(脂肪を別にして)、野菜:蛋白:炭水化物の割合は、2:2:1であり、野菜を多くデンプン(炭水化物)を少な目にしている。それは最近の栄養学の知識から妥当だと思っている。繰り返すが、桑の葉茶は3度3度飲む。そして、朝食のヨーグルトにはシルクパウダーを加え、朝晩の食前には冬虫夏草を飲んでいる。またトマトも朝食には必ず。これはトマトのリコピンが女性はお肌に効果的だし、男性には前立腺ガンの予防にいいといわれているから。このように、私は良いとされることは積極的に実践することにている。 (文責:宮崎)

桑の葉茶・冬虫夏草を健康食品にした学者のこと

2月21日 NPO食と農と健康、では医食同源研究に懸命に取り組んでいます。国民医療費が40兆円を超えたいま、認知症もガンもあらゆる病気を可能な限り、予防すること、さらに言えば健康を創ることが私達に課された大命題です。そのための研究です。最前線の情報を専門家からキャッチし、世に示し実践を目指します。岩手大学の鈴木幸一先生が私達”食農健康”運動家に珠玉の情報を開示して下さいました。エビデンスはっきりのとっておきの講演内容を以下に--。(これまで5回の講演会を開催。第1回は既報。第2回以降を順不同にアップロードします)

【「食と農と健康を見直す~医食同源研究会~第5回研究会」鈴木幸一先生講演録】

■日時:16年2月2日14:00~16:00 (於 港区南青山のウィン青山ビル内「カフェクルー」) ■演者:岩手大学・鈴木幸一特任教授(農学博士) ■演題:「食べる桑・シルク・冬虫夏草による養蚕イノベーションと地方創生」 ■キーワード:わが国養蚕の新戦略・医療費削減の切り札・健康寿命延長・地方創生など

 <蚕の研究一筋45年・・・・・・蚕と冬虫夏草が新しい産業になろうとしている>

■  私は4年前に岩手大学を退官したが、いまも大学の鈴木ラボで研究を 続 けている。45年ほど蚕を研究テーマにしている。冬虫夏草はご存知だと思うが、キノコの1種であり、約400種ある。山へ行って取ってくるのだが、その菌を蚕のサナギに植え付けて繁殖させ安定供給出来るまでになっている。最も利用価値の高いのが福島にあった。ハナサナギダケという種類だ。いろいろ分析し調べたところ、ハナサナギダケの成分がマウスの実験で、老化した脳の働きを回復させることが分かった。研究を進めていて、新薬開発の可能性も大きいと確信している。人の認知症などの改善や予防、ガンの治療や予防の効果も期待できる。国民医療費がすでに年間40兆円を超え、年々膨張していく中、良い機能性食品や新薬が誕生すれば、医療費削減にもなり、養蚕が”非繊維産業”という新しいビジネスになるはずである。中国産の天然の冬虫夏草はいま1kg500万円から1000万円する。そうした点も視野に入れTPPなど恐くないという新しい農業・新しい産業を育てて行くことだ。

  • 正月に私は住まいのある盛岡市から車で30分ばかりの紫波町の神社(志和稲荷神社)に家族で初詣にいくことにしている。そこには、臨済宗の創始者・栄西禅師の書『:喫茶養生記』の一節にある「桑は諸病を治す妙薬であり、服すれば長寿無病が得られる」という趣旨の言葉が、桑のご神体のわきの看板に書かれている。衝撃的な言葉だ。教科書にはそんなことは1行も出てこない。日本では桑はずっと蚕のエサでしかなかったのだが、実は、桑は人が食べるトップクラスの作物ではないか! と私は思っている。
  • 地球上には100万種以上の昆虫がいる。余談だが、ジカ熱を媒介する蚊もその1種。それはさておき、昆虫を生かす産業の1つが養蜂だ。養蜂業者は全国に沢山いて、年商1000万円~2000万円の事業を展開していると推定されるが、ご存知の「山田養蜂場」は岡山県鏡野町にあり、年商450億円だ。町人口は15000人で、1000人を雇用している。創業した初代社長は昨年他界したが、60年でこれだけ大きな昆虫産業になった。蜜蜂産品は初めデパ地下で売っていたのを通販に切り替える戦略で成長軌道に乗ったという。山田養蜂場のビジネスの知恵、という点に注目したい。ビジネスのコンセプトは一貫して「予防医学」だ。そのための先端的研究に山田養蜂場は年間1億円の研究費を出していて、私はこのファンドの審査に参加している。外国の科学誌『ネイチャー』や『サイエンス』に広告を出すと、外国からも応募が来る。昆虫産業が注目されている一面がここに見える。蚕に期待している私の思いは膨らむばかりだ。

 <20世紀は、桑のブラックボックスの時代→21世紀は養蚕イノベーションを興すとき>

  • 冬虫夏草は先に話した通り、ハナサナギダケが優れた効能を持っている。それを商品化したのが福島県南の棚倉町の有志グループで、「東白農産企業組合」を作り、冬虫夏草の粉末を健康食品として売り出している。15年7月5日に、TBSの番組「夢の扉」でそのことが放送された。冬虫夏草の成分が脳細胞に働きかけ、認知症の予防・治療の効果が期待できるし、それで医療費削減にもつながるという、私達の研究成果を伝える内容だった。ハナサナギダケという冬虫夏草を蚕のサナギで増殖させるのがベースだ。桑を固定的に蚕の餌としてでなく、発想を変えて活用し、桑→蚕のサナギ→冬虫夏草→健康食品→薬品という展開を図れば、栄西禅師の言う“桑は不老長寿の妙薬”という言葉通りに、桑を含めた養蚕産品で新しい産業になる、というのが私達の考えだ。
  • 昆虫は地球上に100万種もいる。人類はこの昆虫を活用しなければならない。その成功例が蜜蜂産業の「山田養蜂場」だ。同社を宣伝するつもりはない。そう断わって一言付け加えると、同社はいま二代目が社長になっているが、通販を取り入れて大きく成長している。「予防医学」を旗印にしていて、そこが立派だ。私に言わせれば蜜蜂にとどまらず、別の昆虫に目を向ければ、蚕でも新しい事業が出来るのではないかということだ。歴史をひも解けば、1910年ごろ日本国は何で稼いでいたか? 蚕である。貿易額の52%を絹糸が稼いでいたのだ。
  • NHKの東北版の番組でも取り上げられた映像を見ていただきたい。これは2010年の映像で、これが老化したマウスの脳であり、海馬に糸くずのような線が入っている。海馬は、人間も同じだが、ものごとの記憶に関わっている。糸くずのような線が入ると、認識力や神経の伝達に障害が出る。その障害をもつマウスを使ってある実験をした。蚕の乾燥蛹で培養した冬虫夏草から、漢方薬のセンブリやドクダミの抽出物を作るようにして抽出物を作り、抽出物をそのマウスに体重1kg換算で5 mg と25 mgを与えたら、糸くずのような線が消え認識力が著しく回復した。もう1つ、プールでマウスを泳がせる実験をした。プールの特定の位置にプラットホームを沈めて、その場所を記憶させる。その後で、このプラットホームを除去すると、正常なマウスはプールのプラットホームを設置した場所を回るが、糸くずの線の入った脳のマウスは、プール全体を回るだけだ。しかし、このマウスに例の抽出物を与えると、ほどなく設置場所を回る。すなわち空間認識が出来た、認識力が回復したのだ。
  • 私達は、この抽出物からX物質を発見した。これを人が食べると、腸を通って身体に吸収され、壊れた神経細胞を修復するというメカニズムを明らかにした。あとは論文を書くだけだ。私達はいまこの抽出物によるサプリメントを作ろう、さらに医薬品を作ろう、と研究を進めている。福島県の棚倉町は昔は養蚕が盛んだった。そこの有志グループが「東白農産企業組合」を研究実践の拠点として位置づけている。組合では、地元の山から野生の冬虫夏草を取ってきて、胞子を蚕に植えつける方法で“野生の蚕”を安定生産する態勢を作り上げている。棚倉町はかつて盛んな養蚕地帯であったが、その後、養蚕はすたれ、若者の流出も止まらない。そんな中での「組合」の起業であり、みんなが「新しい産業を興す」と張り切っている。

 <92歳が冬虫夏草のサプリメントを飲み、3ヶ月で小銭の勘定力を回復させた>

  • いま認知症の薬として世界でもっとも使用されているのがアリセプトだ。もう特許は切れているが、一時期は6000億円の売り上げがあるといわれる。でも、これは50人に1人程度、認知症の進行を遅らせるというものだ。TBSの番組でも紹介されたが、認知症にかかっている92歳の熊谷さんが、病院で560円の診療費を支払う際、小銭入れから出そうとして、小銭はそろっているのに560円を取り出せず、1万円を出してしまう状態だった。その熊谷さんに、私達の研究成果に基づいたサプリメントを、すなわちまだ医薬品ではない健康サプリメントの段階のものを3ヶ月飲んでもらったら、ちゃんと小銭を計算できるまでになった。凄い効果だ。早く医薬品にしたいと私達は懸命に努力しているところだ。

 <日本のレアプラントを作り、世界2位の農業国オランダを目指せ>

  • 日本のレアプラントを作りたいと思っている。日本の自然・山野・農業の中から見出す素材で、つまり海外からでなく、日本にあるものに付加価値をつけて日本で生産する、という体制を作らないといけない。オランダはアメリカに次いで世界第2位の農業国で、パプリカなどをブランド化している。九州ぐらいの小さな国土だけど、シリコンバレーでなく、国を農業の情報と技術の集積するフードバレーにしている。その情報で、桑は“天然の強壮剤”と称されている。日本ではかつてシルクの生産に関わっていた養蚕農家が200万戸以上もあったのにいまでは500戸を切っている。そして繭は1kgが補助金漬けで2500円ぐらいだ。養蚕を違った角度から見直して新しい産業にしないといけない。そして次にはイネ、果樹もイノベーションをしないといけない。TPPなんかがあってもびくともしない日本農業をオランダに見習って構築しないといけない。
  • さっき知り合い3人で昼食にカレーライスを食べた。データとして知られているが、その時にご飯に、桑の葉粉末0.8gを振り掛けて食べたとすると、30分後に血糖値を調べれば、全然上がっていない。ところが何もしないで食べた人は170mg/dlぐらいに上がる。血糖値が正常な人でも誰でもがそのくらいに上がる。Ⅱ型糖尿病の人はもちろん、日本人は欧米人に比べて膵臓から出る生涯のインスリン量が少ないので、炭水化物を食べると膵臓に負担をかけることになるが、1976年に桑の葉に血糖値を抑える物質が含まれていることを発見した人がいる。八木先生という人で、その物質はノジリマイシンという。最近、認知症に効く、抗加齢の効果があるとされる。抗加齢で言うと、パウダーでは寿命が17%アップ、純正品では32%アップするというデータをわれわれは持っている。桑の凄い点の1つだ。桑はまたカルシウムを牛乳の25倍も豊富に含んでいる。凄いことだらけだ。

 <桑が、年間40兆円を超える日本の医療費削減に貢献する道筋が見える>

  • 1211年に、栄西禅師が『喫茶養生記』の中で言っていることを、800年経って、日本は証明している。ただ科学的に証明しているだけだ。栄西禅師は「桑は甘いおしっこにいい」、つまり糖尿病にいいと言っている。ノジリマイシンがそのことを証明したわけだ。本家本元の発見を日本では生かさないといけないが、現状は宝の持ち腐れだ。医療費が年間40兆円を超え、1年に1兆円ずつ増える見通しなので、私が75歳になる2025年には54兆円に膨らむ。このままではトシ取るのが罪悪、ということになる。そんな皮肉なことではいけない。
  • もう1点、日本人の発見で素晴らしいと思うのは、もう亡くなったが、平林潔先生だ。食べるシルクの方向付けをした。シルク(生糸)を塩酸でぐつぐつ煮た。特別高度な実験でも何でもなく、塩酸で煮て、それをパウダーにした。するとシルクの蛋白が酸加水分解されるわけだが、これに3個のアミノ酸、グリシンとアラニンとチロシンが豊富に含まれていることが分かった。そしてそのパウダーを食べるというユニークな利用法を考えた。マウスのモデル実験によると、髪の毛の表面が、老化するとデコボコしてくるのに、若い人の髪のようにキューティクルでつるつるしたものに若返った。コラーゲンが皮膚をつるつるさせるのと同じ効果であった。繊維となるシルクから、言うならば“食べる化粧剤”を作ったわけだが、私達はそれに留まらず、認知症の薬にもしようと目論んでいる。いままでの行き方とまったく違う、非繊維型のイノベーションである。必ずやそれを興したいと思っている。2011年から科学研究費を得て研究を本格化させている。
  • 養蚕はいままではファイバー(繊維)だけだったが、平林先生のおかげで私達は「食べるもの」として蚕を利用し商品開発ができるようになった。先ほどの話と重複するが、最初は岩手県の北上市からのスタートだった。志和稲荷神社の看板からアイデアを得て始めた私の研究を地元紙が取り上げ、<鈴木が桑食文化を提唱し研究に取り組んでいる>と平成20年の1月4日付の社説で紹介した。それを読んだ北上の地域住民4,5人がすぐ私を訪ねてきて、桑の葉茶の事業に取り組みたいと言うので協力することにした。間髪を入れず、彼らは中古の製茶機械を借用して事業を始めた。それが今では、北上市の名産として県内外に広がっている。一方、青森県の八戸市では、「南部桑茶」という商品名で売り上げを伸ばしている。米国のシアトルでも売っているそうだ。そのほかこの動きは多方面へ広がっている。先日、横浜シルク博物館名誉館長で異文化コミュニィケーターのマリー・クリスティーヌさんがマスコミで話題提供してくれた。仙台の藤崎デパートでは「桑チョコ」が.昨年、スイート分野でNo.1の売り上げだったそうだ。栃木の那須塩原市では異業種から名乗りを上げた会社が野生の蚕で“食べる養蚕”事業を始め、静岡の松崎町ではカリントウに桑の葉を入れたり、また国家戦略特区に指定された兵庫県養父市にも伝播するなど、急速に広がりつつある(非繊維型養蚕事業の広がりを一覧表にしたのが次の写真)。 

コピー ~ クワの全国マップ決定160221幕末に海を渡った養蚕書の著者に、養父市の上垣守国がいる。1803年に彼が書いた『養蚕秘録』という養蚕指導書がフランスに渡っている。極東の日本の養蚕が一番いいとされたこの本は、シーボルトが本国オランダに持ち帰って、フランス語やイタリヤ語に訳された。そして1803年著作のその本をフランスのパスツールがテキストにしたそうだ(『幕末に海を渡った養蚕書』、竹田敏著、東海大学出版部)。その100年後に、日本のシルク産業が確立され、日本が世界のシルク産業の拠点になる。さらに100年後、日本の養蚕はすたれてしまって、富岡製糸場が世界遺産になった。これでいいのか? 私達には新しい使命があるのではないか? 養蜂も養蚕もその技術は特殊だ。何度も言うように往時200万戸以上もあった養蚕農家が500戸を切ったいま、このまま行ったら、桑を栽培する技術も蚕を育てる技術も途絶えてしまう。国は蚕に関しては、遺伝子組み換え体の蚕の作出を主に研究しているが、それだけではダメだ。やっぱり養蚕イノベーションを本気でやらないといけないと思う。

 <私の食事は野菜・蛋白・炭水化物は2:2:1の割合、桑の葉茶を朝昼晩に>

 (別項で掲載します)

 <FAOは「昆虫を食べよう」とメッセージ>(以下は、質疑で明らかにされたこと)

**冬虫夏草は400種以上存在し、福島県南部の山で取ったハナサナギダケがいまのところ最も有効で、それを福島県棚倉町の「東白農産企業組合」が製品化し、「冬虫夏草」の名前で健康食品として販売している。30日分で12740円である(参加者の1人がネットで確認)。**岩手県北上市の更木地区では学校給食で桑の葉もメニューにあり、想像によると、DNJ(1-デオキシノジリマイシン)の効果で子供たちが風邪を引かず、近隣の小中学校がインフルエンザで学校閉鎖や学級閉鎖されても、更木は無縁。行政もコミットしているという姿だ。

**鈴木先生が主張する。「桑や冬虫夏草のイノベーションにより、小さな町村、小さな地域で、例えば1億円規模の産業を興すのはそう難しいことではない。全国各地でそうした成功例が出来るように仕向けたい」

*兵庫県養父(やぶ)市は2014年3月に国家戦略特区に指定され、中山間地の農業における改革拠点としてさまざまな改革が進められている。桑畑の造成にも乗り出していて、「五平餅」に桑葉をまぜた食べ物をり、“やぶくわ棒”とネーミングしブランド化を狙っている。

**鈴木先生が主張する。「桑を食べ物として活用する“桑食文化”をなんとしても普及させたい」。**蚕の有用性は多岐に渡り、群馬県中之条町では桑の葉をニワトリに食べさせている。

**アメリカではシイタケエキスに保険の適用が効く。国による文化の違い規制の違いがある。**これからは様々に“医農連携”、あるいは“農福連携”(農業と福祉)が必要。**昆虫は食糧でもあり、FAO(国連世界食糧機関)が「昆虫を食べよう」とメッセージしている。**銀座で蜜蜂が飼われ養蜂が可能となっている。東京23区に桑畑が現れるといい。      (文責:「NPO食と農と健康」宮崎)

 

ピアノの名曲を聴くということ

2月21日  大雨から一転して冬晴れです。沈丁花がぽこっと咲き出し、ハッピーな気分です。20cmも切ってきて卓上に。ベートヴェンの「月光」を聴いております。当ページをお訪ね下さる音楽好きの方に、下のピアノ・コンサートをご案内します。月光の他,ショパンの「幻想即興曲」「ノクターン」等の美しい名曲をお届けします。「戦場のピアニスト」で流れた「月光」が、強烈に耳奥に蘇ります。美しく悲しく。

私どものNPO食と農と健康は、健康が至上の目標です。音楽もそこへ誘います!4月18日(午後2時開演)。鎌倉芸術館でのデュオの名演奏を聴きに、ぜひぜひ!

フライヤー表の縮小160212

鎌倉チラシ裏縮小版

 

 

 

 

食と農と健康を見直す~医食同源研究会第1回

第1回研究会の議事録(抄録)を以下に。漢方薬剤師のお話、お読み下さい。

日時と場所:15年9月24日am10~12  東京市民ボランティアセンター(東京飯田橋)。講師:松下元之さん(薬剤師。漢方薬局「デュ・アン」経営。社員研修・講演活動でも活躍)・・・・写真は、松下さん(右手前)の講演風景。

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《松下元之氏の講演『漢方養生ライフのすすめ』》 (お話調でなく書いています)

現在59歳。つい最近、めまい、頭痛、激しい動悸などの症状に加え食欲も減退し、仕事の意欲まで落ちる状態がしばらく続いた。すべて自律神経失調の症状であり、男の更年期症状を出してしまった。健康指導をしている自分がこんな情けない状態になり、自信喪失、自己嫌悪に陥ってしまった。しかし、これも自分に与えられた試練と気づき、先ずは今日の講演をしっかり務めようと気持ちを定め、日ごろお客様にお伝えしていることを改めて見つめ直し、日々実践することで、ほどなく元気を回復することができた。

22年前のこと、36歳だった妻がクモ膜下出血で倒れ、死線をさまよった。一時、呼吸と心臓が止まり、もうダメと宣告されたが、奇跡的に助かった。退院しリハビリ生活を過ごし、自分のことはほぼできる状態にまで回復して、本当にありがたい。回復したのは幸運だったし、本人の持つ生命力の強さのおかげだと思う。呼吸と心臓が止まったと言われたとき、これが死なのかと生々しく受け止めた。そこから生還してくれて、私にとって何物にも代えがたい貴重な体験をさせていただき、その後の自分の価値観を大きく転換できた。病気にならない「未病」という概念や病気の「予防」の追究へと方向付けを一段と強固なものにしてくれた。そして「漢方」に軸足をおいた薬店経営に乗り出し、今日に至っている。

玄米を食べよう! 白米<玄米<発芽玄米 の真理。

(白板に米粒=白米と玄米=の絵を描いて)、白米は、玄米の外側の糠の部分を削り落としたものである。白米と糠を加えると、玄米と同じものになる。表面的にはそう見える。でも違う。何が違うか? 玄米は水分などの条件を与えると発芽する。これに対し、白米は発芽しない。この違いは、玄米は生命力を持っているが、白米はそれを失くしている、ということだ。玄米は、外側が茶色で黒っぽい。植物は太陽から逃げられないので、その色によって太陽から生命を守っている。だから黒っぽい玄米は強い生命力を保持していると解釈することも出来る。この側面も覚えておきたい。

玄米は白米と違い、生命力を持っていることが分かったと思う。ビタミンやミネラルなどの栄養素を見ても、玄米の方が含有量は遥かに高い。数字を見ると、玄米が圧倒的に優位であることが分かる。発芽玄米という商品があるのをご存知だろう。玄米をかすかに発芽させると、そのときガンマー・アミノ酪酸(GABA)という物質が生成され、それが血圧抑制や脳の血流改善など多岐にわたる効能を持つとされていて、その発芽玄米の評価が最近とみに高まっている。

食が健康の決め手。私は、穀菜食。

九死に一生を得た妻が健康を回復するためには食べ物がポイントだと思った。薬剤師の直感でもあった。妻が退院すると、すぐ玄米を食べさせるようにした。野菜は極力、無農薬有機栽培のものを選び、一方で、肉よりも魚にした。私自身も同じ食生活にし、11年前からは主食の基本を発芽玄米にしている。魚はときおり食べるが、ほとんど菜食中心である。やはり日本人の本来の食事である「穀菜食」が基本になるなと実感している。そして、重要な食養生の基本として「主食:副食の割合を7:3」としている。そのバランスに加え、主食の発芽玄米と有機無農薬野菜の強い生命力が、妻の健康回復に大きく寄与したと信じて疑わない。またそれが、私の健康作りの土台になっていることも実感している。

心身一如。心をいつもプラスイメージに。

(皆さんにやってもらいたいことがあるとの呼びかけがあり、それに従い、男女別々に2人1組になる。1人が相手の背後から相手の腹に両手を回し持ち上げる実験である。実験では、持ち上げられる人は、①楽しく嬉しい心がワクワクすることを想像する、②辛く悩み深く暗い気持ちになることを想像する、との指示があり、2つのパターンで試した)。①と②の大きな違いを持ち上げる側は感じただろう。①では軽く、②ではとても重く感じた、というのが多くの人の感覚のはず。これはどういうことか? 心がプラスイメージのときは身体も軽やかで良い状態にあり、心がマイナスイメージのときは身体も重く悪い状態にあるということだ。ずっとマイナスイメージでいると、ほんとに病気になってしまう。「心身一如」なのだ。冒頭に話した私の体調不良とその回復は、その現れだったと思う。いつも心をプラスイメージにしておくことが大事だ。

呼吸も陰陽のバランス。朝起きたら深い呼吸を。

(ゆっくりと息を吸い込み、ふーっとそれを全部吐き出す「腹式呼吸」を参加者にやってもらうパフォーマンスを挟み、呼吸の大切さの話へ進んだ)。深い呼吸により自律神経が良い状態に維持される。(その呼吸を何回か繰り返し)、皆さんも気持ちの落ち着きを感じられたはずだ。人体そのものを含めて大自然・大宇宙のすべての事象は、相対する“陰と陽”の相互関係にあり、それがダイナミックに調和して成り立っている。吐く息・呼気は「陰」であり、副交感神経が優位となる。吸う息・吸気は「陽」であり、交感神経が優位となる。息を止める留気で、心身が充実する。それが呼吸の調和である。このことを覚えておいて欲しい。毎朝、起きたら深い呼吸を実践すると良い。目覚めたら、意識領域にすぱっと飛び出すことが大事だ。これが健康づくりのポイントの一つである。

 「人間の生きている力を・・正気(せいき)と言う」。気はエネルギーだ。

生命力とは、生きとし生けるものすべてが<己れのいのちを生かす力>だ。漢方では、この力を「正気」(せいき)と言う。“正”とは生命がプラスの方向へ発展していくことを表し、“気”とはエネルギーのことを言う。(「人間の生きている力を正気という」――とこの言葉を何回も大声で唱和させ、「正気」の意識を頭に刷り込ませた)。生命力は大きく二つの要素から成り立っている。一つは両親から受けつぐ“先天の気”(せんてんのき)であり、もう一つは、この世に生を受けてから大自然の恵みとしていただく“後天の気”(こうてんのき)である。後天の気は、“天の気”(てんのき)と、”地の気“(ちのき)の二つに分けられる。天の気とは、空気・光・温度などよりいただくエネルギーのことであり、”地の気“とは、食べ物・飲み物からいただくエネルギーのことである。「人間の生きている力を正気という」。この言葉を毎朝、声に出してみると良い。正気の“気”を感じることになる。

私は一日一万歩が目標。「少飲少食多動」主義で。

姿勢とは、姿(すがた)に勢(いきおい)があると書く。クムバハカの姿勢を学ぶと良い。簡単に言うと、お尻をしっかり締める、首・肩の力を抜く、丹田(オヘソの少し下)に力を込める姿勢である。これも大切な健康づくりの一つだ。(「公益法人 天風会」のURLは次。 http://www.tempukai.or.jp/ )

 健康づくりに絶対欠かせないのは運動をすること、身体を動かことだ。私も毎日散歩を欠かさず、電車の駅間もなるべく歩くようにしていて、一日一万歩は歩いている。階段は一段飛ばしで踏み込んで歩く。ゴルフが大好きなので、それもときどきやっている。一言で言うと、「少飲少食多動」が決め手になる。

講演のまとめ・・・気・動・食が幸福(健康)の3本柱。楽と薬の隠れた関係。

 私の健康づくりは、気(気持ちの使い方、心の使い方)・動・食が3本柱である。そのすべてに関し、自然の法則・摂理を学び感得し、より自分らしく、より自然に生きる! ということに尽きる。それが私の「漢方養生ライフ」の要諦であり、私は「一に養生、二に漢方」を提唱している。「少飲少食多動」の言葉も忘れずに生活に取り入れていくと、確実に「健康回復・維持増進」、当然に「病気予防」につながる。幸福な人生の秘訣は、生活を「楽しむ」ことにある。この「楽」にクサカンムリを付けると「薬」という字になる。それが自然観のエッセンスだ。

 

《質疑》 

Q1)漢方をどう日常で生かすと良いですか?

漢方を“自然の恵み”ととらえ、漢方薬にとらわれることなく、大自然の恵みを生活に取り入れることが大切です。たとえば、入浴剤として、ヨモギやカモミールを利用するとか、ドクダミや薬草を健康茶としていただくなど、できることから始めてください。そうした実践を重ねるうち、興味が広がり様々なことを学ぶようになり、自然派志向の生活習慣が身につくと思います。「一に養生・二に漢方」主義で、ぜひ。

Q2)松下さんの、一日3食の食生活は具体的にどんな中味ですか?

朝は・・・・・・スムージーです。もう20年以上続けています。豆乳、玄米粉、寿元粉(大豆の成長因子)、浄身粉(ハトムギの全粒粉)、ラフィノース(甜菜糖)、バナナ、リンゴなど季節の果物。昼は・・・・・・外食が多いですが、体調を崩してからは、発芽玄米のおにぎり、発芽玄米のお粥など。夜は・・・・・・発芽玄米・五分づき米・十五穀雑穀ブレンドのご飯(会場で、試食に供された)を主食として7割、副食を3割にするよう心がけています。有機野菜は有機食品店から宅配してもらっています。玄米・発芽玄米は宮崎理事長の著書( 『汝の食物を医薬とせよ』 )の生産者・秋田県大潟村の井手さんの米を11年前から買わせていただいています。偶然のご縁です。類は友を呼ぶ、ですかね。井手さんの有機無農薬の玄米・発芽玄米は正真正銘、安心安全でパワフル。お客様の評判が高まっています。    (以上。文責:宮崎)