Yearly Archive: 2011

放射能問題と向き合って、シビアに

7月22日 How are you doing

いつもこのページをお訪ね下さるみなさん、ありがとうございます。
NPO筑波農場のジャガイモの放射線量検査結果がセシウムなどを「検出せず」
であったため(限界値3.6ベクレル)、7/12に当欄で「安心安全宣言」をしました。
これを受け過日、NPO会員の産直注文に応え、近々「三陸鉄道を支援する会」
へ青空市用の農産物として我々のジャガイモをお贈りする手はずを整えました。
青空市は31日、宮古市での開催だそうです。26日ごろ発送し、そのレポートも
いたします。ジャガイモは傷みやすく、トラブルもありましたので、それも併せて。

21日付けの新聞に、フクシマ事故以来4ヶ月間の原発周辺地域における放射線
の推定積算量がようやく文科省から発表されました。汚染マップです。遅きに失し
ました。被災者の最大の関心事なのに。もっと大事なことは、この推定積算量は、
3月23日以降のものなのです。それまでに降り注いだ膨大な量は計測していない
ので、除外されています。年間被爆量が100ミリシーベルト以上だと発ガンの危険性
が5%アップするとされますが、4ヶ月間で100ミリシーベルトを超えたところが双葉町や
浪江町の過半に及び、大熊町の原発立地地点周辺では100超、200というレベル
のところもあります。線量の強い順に黒褐色、褐色、黄色、薄緑色と色分けされ
た汚染マップは、真にシビアなマップです。
マップを見るに当たって、気をつけなければならないのは、この数値は「住民が
一日の生活で仮に屋外で8時間、木造住宅で16時間過ごした場合に被爆する
放射線の合計量」であるということです。
「3月23日以降の積算放射線量」(福島県浪江町、飯館村の5地点)は週1回程度
の掲載とします、と読売新聞にはあります。積算量なので週1回程度でよかろうと
文科省が判断しているということでしょう。7/21付新聞のマップはもちろん、これ
から発表されるマップは、フクシマ事故を収束させなければならない国民にとって
とても貴重な資料です。被災地の人々にとっては言うに及ばず。放射線は目に見
えませんが、マップは目に見える資料ですから。新聞記事はスクラップ必須ですね。

汚染マップは、福島県の東部半分(福島市の東部、二本松市のほぼ全域などを
含む地域)で、会津若松市などは含まれていません。また宮城県南端の丸森町
は含まれています。
しかし、マップに含まれない福島県内や、丸森町に続く宮城県の他地域、南隣の
茨城県の各地域の積算放射線量は一体どうなのか、分からないままです。今後
も何もないのでしょうか? 文科省のマップ作成の方針はどうなのでしょうか?
こうしたわれわれの疑問に新聞(読売新聞)は答えていません。新聞・テレビ等を
全部チェックしたわけではありませんが、メディアの怠慢を今度の汚染マップでも
感じさせられます。既存メディアの頼りなさよ!

積算放射線量の問題については、7/11に行った、NPOの「放射能汚染問題と
向き合い、われら食と農を語る」鼎談において、市民運動家・農学者など4人で
縦横に語り合いました。マップ作りの基礎となる精細な汚染調査を急ぐべき、など
と提言し合った鼎談を、この欄などでアップロードすべくいま原稿起しを急いでいる
ところです。いましばらくお待ち下さい。     (7/22 宮崎記す)

茨城県筑波農場のジャガイモの放射線量検査結果出る

7月12日 How are you  doing

NPO食と農の筑波農場で収穫したジャガイモの放射能汚染状況を調べるため、
「財団法人 日本食品分析センター」に、検体を送り検査を依頼していましたが、 
その結果が11日に分かり、速報値として連絡を受けました。

セシウム・ヨウ素とも「検出せず」。そう予想はしていましたが、正直ほっとしました。
詳しい結果は以下の通りです(検査報告書が到着したらその写しをアップします)。
検査代は21,000円でした。
<検体>ワセシロ(という品種)。3/26に種植えし6/19に収穫したもの。
      同センターの規定に従い水洗いし泥を落としたもの2kgを7/5に発送。
<検査結果>
 ・セシウム137 「検出せず」(定量下限3.6ベクレル/kg)
 ・セシウム134 「検出せず」(定量下限3.3ベクレル/kg)
 ・ヨウ素131   「検出せず」(定量下限20ベクレル/kg)
<われわれの評価>
 ・まったく安心できる結果と受け止めています。
 ・NPO食と農の筑波農場(石岡市柿岡)のジャガイモの「安全安全宣言」をします。
<註釈>
 ・検出せず、は「0」ではありません。検査方法を十分に厳しい「定量下限」を設けて
  検査した結果、その下限を下回る線量であった(数値は測らないので不明)ので、
  検出せず、の結果になったということです。統計的なND(non・data)を意味します。
 ・ジャガイモの食品衛生法上の暫定基準値は500ベクレル/kg。
 ・この下限値を200とか300ベクレル/kgに設定して検査をしているインチキ検査
  機関もあるらしいという情報があります。火事場泥棒的ワルがあちこちにいます。
  えてしてそういうところは金額も安い。注意しないといけません。
<われわれの対応>
 ・NPO食と農の会員様から「産直」のご希望をいただいている注文に、今週末から
  お応えします。また計画的栽培をしたプラン通り、相当量を震災の被災地の一つ
  岩手県宮古市の「三陸鉄道を支援する会」に支援物資としてお贈りする予定です。
  たぶん200kgぐらい可能でしょう。秋のサツマイモなどを合わせ1トンが目標です。
  安心安全宣言をし産直注文にお応えし、被災地支援ができることを喜んでいます。 
                               (7月12日 宮崎記す)

「チャリティコンサート藤沢」のご報告とお礼

7月5日 How are you doing

【「チャリティコンサート藤沢」へのご協力のお礼と会計報告】


さる72日、藤沢市労働会館で湘南童謡楽会主催による東日本大震災の

被災者を支援するチャリティコンサートを開きました。以下はその報告です。

出演は東京芸大学生楽団「上野チャルメーラ」のオーボエ四重奏団(4人)と

湘南童謡楽会メンバー・声楽家のおざきかよさんとピアニストのすやまひろみ

さんのコンビ。おざきさんとすやまさんには、「故郷」など童謡5曲を会場の

みなさんと一緒に合唱する“先導”を務めてもらいました。上野チャルメーラ

はチャイコフスキーのくるみ割り人形から「花のワルツ」などを情感たっぷり

に演奏してもらいました。120人ほどの参加者は大満足だったと思います。

被災者への募金を沢山お寄せ頂き、ご参加の皆さん「有難うございました」。

会場費など最低限の経費を差し引き49420円を藤沢市に寄付する予定です。

以下は収支のご報告です。なるべく早く市の窓口へ出向き寄付の手続きをし、
その
領収証をこの欄に追加して掲載します。

<収支>

     収入:97,160円

     支出:49,420円 

 ・会場費関係20270(会場13100円、ピアノなど会場備品6720円、練習室450円)
   ・出演者交通費19000(学生4+ディレクター1の計5人に3000円、歌唱指導の2人に2000円)
   ・無料配布のCD制作費10150(学生に立て替えてもらったたものの支払い)

     収益:47,740円

<寄付>47,740円⇒⇒藤沢市へ近く寄付します(領収書も後日公開します)

<備考>上記の経費以外の諸雑費(ちらし等の印刷代、当日の出演者・スタッフ
    の食事代、
その他の細々したもの)は、主催者「湘南童謡楽会」代表の
    宮崎隆典と後援者の
「摩周湖楽友協会」代表の水岡祥二の二人で分担し
    合いました。受付を担当して
くれたお手伝いの二人の若い女性(すやま
    さんのお嬢さんとおざきさんのお弟子
さん)が募金箱を管理し、募金額
    を正しく計算してくれました。         (7/5 宮崎)


チャリティ藤沢演奏風景

7月2日、藤沢でチャリティコンサート開きます

7月1日 How are you doing

明日7/2午後2時から、藤沢市労働会館で被災者支援のチャリティコンサート。
東京芸大の学生さんのボランティア出演で、オーボエ四重奏の演奏をたっぷり。
オーボエの響きは、鎮魂の響きかもしれません。被災地を思い遣るよすがに!
急ですが、これをご覧になった方、足をお運びください。お待ちしています。
主催:湘南童謡楽会、後援:摩周湖楽友協会。責任者・湘南童謡楽会宮崎隆典

チェリティコンサート鎌倉110613 024

Web公開の「食」討論会(鼎談)を企画

6月25日 How are you doing

7月11日に、食の専門家による討論会を「NPO食と農」主催で企画しました。
食品の放射能汚染問題が日に日に消費者の心配も、関心も高めています。
次のような趣旨で、明確な切り口で、したがって中味の濃い討論をこの欄で、
発信する計画です。〇〇ホールで行う従来のシンポジウムとは違う、新しい
パターンでの「Web公開討論」となります。討論会後、速やかに公開します。
ご期待下さい。現下での、食討論のスタンスを以下のように考えています。
ご一読下さい。この討論会の設定などで忙しく、またも10日ぶりの更新・・・。

【「NPO食と農」によるWeb公開 食討論】

『リスク時代の「食」を討論する~食を科学的包括的にとらえよう~』(仮題)


<討論の趣旨>

 東日本大震災に伴って発生した東電福島第一原発の事故は、3機まとめての核燃料
溶融(メルトダウン)と放射能大量放出により、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と
同じ危険最悪度「レベル7」(国際原子力事象評価尺度)という最大級の災禍(カタ
ストロフィ)をもたらした。政府と東電は初期対応を誤り、事故を過小に発表したり
肝心な情報を隠すという低劣不埒な危機管理をした。事故収束作業は後手の連続で、
いまだに原子炉を冷温停止状態にできる時期の見通しさえ立っていない。国家と基幹
企業の無能・無責任という人災まで加わり、原発の安全神話は完全に吹き飛んだ。
事故の一部始終は映像でインターネットを通し世界中をかけ巡り、日本の国際的信用
は失墜し、世界中に原発の危険と恐怖を痛感させ脱原発に舵を切る国が相次いでいる。

“絶対に”起きないとされた技術大国日本の原発事故であったが、チェルノブイリ、
スリーマイル(米国)、フクシマと続いた三者三様の三つ目の原発事故は、人々が抱
いていた原子炉に対する危惧を現実決定的なものにし、さらには科学技術そのものに
対する人々の信頼感を揺るがしている。フェイルセイフティ技術が及ばない領域があ
るのではないかという疑念さえ抱かせている。

さらに言えば、フクシマを機にわれわれは原発以外にも横たわる地球環境の危機、
細菌の恐怖、サイバーの脅威等々の「時代のリスク」とどう戦っていくか、これまで
積み上げてきたリスクに対する想定やノウハウを疑ってかかる必要に迫られているの
ではないか。どのリスクに対しても、これなら絶対大丈夫という回避技術もフェイル
セイフティ技術もどうやらなさそうだと、フクシマ・カタストロフィが示唆している
のではないか。


震災後、節電という忍耐や工夫がいま企業にも生活者にも求められることとなった。
結果、われわれはエネルギーや資源の問題を初め社会や経済や政治のあり方、そして
文明そのもののあり方を見直し始めている。

被災地はと見れば、原発周辺地域の多数の人々の避難は長期化しているものの、そ
の外側の三陸地域へは大勢のボランティアが支援に入り、少しずつ復旧が進み、一方
で包括的な復興計画が国と自治体などで練られている。日本全体・国土全体を俯瞰し
ての新しい東北造り・新しい国造りのビジョンとプランが打ち立てられなければなら
ない。

復旧・復興作業を通し、被災者もボランティアも作業従事者も、「人間とは何か」
を考えているはずである。生活を見直し始めた日本人誰もがきっとそうだろう。新し
い国造りのプラン作成もそうした根源的な問いに立ったものでなければならない。

被災者にとって、日本国民にとって、いま数え切れないほどある欲求のうち最も
重要なものの一つが「食の問題」であろう。放射能汚染が止まない水は大丈夫か。
その他の食品は大丈夫か。農地の土壌汚染と海水の汚染が日々広がる中、そこから
取れる農水産物は大丈夫か、と心配は尽きない。


こうした中、「NPO食と農」は4人の論者に集まってもらい、放射能汚染が心配な
「食」を取り上げ、食の放射能汚染の問題にどう対処していくべきかというテーマの
ほか広く食の安全性の問題、食の質の問題、食と健康の問題、食と教育の問題、そし
て食糧と農業の問題などを討論してもらうことを企画した。

食の問題は、毒ギョウザ事件が起きるとしばらくの間だけ中国からの輸入食品を食
べない騒ぎとなったり、
O157事件が焼肉店の「ゆっけ」で発生すると焼肉店の客足が
減ったり、テレビ番組で食品の〇〇が健康や美容にいいという情報が流れると途端に
その食品がスーパーで売り切れるといった具合いに、えてして一過性的であったり、
過剰反応的であったり、暴走的であったりする傾向が見られる。今度の原発事故で言え
ば、放射性ヨウ素への対応のためにヨウ素成分の多い昆布が有効だと聞き、昆布を急に
沢山食べ始めるなど盲信的である場合もある。有機野菜が身体に良いと知ると、農業で
の化学肥料と有機肥料の混用を認めない立場に立つなど頭デッカチになったり、日本の
農業は外国との競争力が弱いと決め込み農業は保護されるべきものという定型的な農業
理解をするなど思い込み型に陥ったりしがちである。そして、それらが横串されてその
人の「食意識」が形成される傾向もあって、そうなると大変厄介だ。人それぞれが個別
の食の価値観をもっているので、食の問題は唯我独尊になりがちだし、歪んで捉えられ
がちでもある。

食の問題は、なにより科学的に捉えられなければならない。そのためには常に学ばな
ければならない。さまざまな情報を正しく理解するリテラシー(批判力)を身に着けな
ければならない。そしてそれらを正しく伝えていかなければならない。食品を生産~消
費という側面で捉えれば、食品がより良く作られ正しく選択され正しく消費されなけれ
ばならない。これらの要請を貫く縦串としてのキーワードを一つ言えば、「医食同源」
を挙げることができるだろう。

食を以上のように捉え、「医食同源」というキーワードに沿って、4人が伝えたいこと
を語り合い、討論してもらおうというのがこの企画の狙いである。

情報は、ある一定のコンテクストで取り上げられ解釈されると意味をもつ。4人のもつ
それぞれの情報が開示され、分析検討され、共有されたあと、それらは
4人の中で新しい
何かを産み、一段と価値ある情報になっていくだろう。

4人の討論は、4人の関係するホームページなどWebで発信されることになる。Webの読
者はそれを受信し、討論を読み深めることができる。そこに、どこかのホールで参加者を
集めて行う討論会にはないメリットがあるのではないか。インターネット時代の新しい
討論へのトライアルにご期待いただきたい。


4人は『放射能を防ぐ知恵』(三五館、共著)を上梓したばかりの「NPO法人 食品と暮
らしの安全基金」代表の小若順一さん、恵泉女子学園大学大学院准教授で農学博士の澤登
早苗さん、「デュ・アン」漢方薬局の経営者で薬剤師の松下元之さん、それに「
NPO食と
農」理事長でジャーナリストの宮崎隆典である。

討論は711日、東京水道橋の「財団法人 日本消費者協会」会議室で行われる。その後、
なるべく早く
4人の関係するホームページ、およびこの討論会を後援する「財団法人 都市
化研究公室」のホームページで公開される。各
URLは追ってこの欄などでお知らせする。   
                           (
625 宮崎記す)