[あさりの砂~はまぐり養殖~コロナ・ダメージ]
◆あさりの砂抜きに関わる記事の続報です。あさりの産地、熊本県有明海や
八代海の貝類が、8月の九州等の大雨のせいで塩分濃度が薄まるなどして、
体力が弱ったことが、砂抜きがうまくいかなかった第一原因(スーパーの
担当者の説明)と分かったのは大きな収穫でした。
◆話変わって、鹿児島県大隅半島の先端近く南大隅町に「シーアグジャパン」
という農業法人があります。社名のシーは海産物を意味し“砂を嚙んでない
はまぐり“を海水を汲み上げた水槽で養殖・販売するユニークな企業です。
社名のアグはアグリカルチャーで、サツマイモなどの農産物も生産販売して
います。ところが同社もコロナの影響を受け、高級料理店中心に販売していた
はまぐりがまったく売れなくなり、農産物の売り上げも7割減だそうです。
◆はまぐりの養殖法は、鹿児島湾沖合の海底から海水を陸上の水槽に汲み上げ、
水槽中に光合成植物・珪藻の一種を入れ、そこに二酸化炭素(CO2)を吹き
込んで太陽光線を当て、光合成作用によって珪藻を増殖、それをはまぐりの餌に
して太らせるというもの。これが砂を噛まないはまぐり養殖の秘密です。
◆小生、同社長・肥後隆さんとは20年来の付き合いで、3月の「雛祭り」などに、
このはまぐりを産直購入してきましたが、“あさりの砂噛み事件”で電話し生産中止
を知りました。コロナが一段落したら「養殖再開する」と肥後さんは話しました。
コロナ後の食品➡水産物➡貝類、の消費がどう変化するのか、まったく想像できま
せんが、この珪藻活用は、ちょっと注目です。
◆どう注目か? 1つはCO2の活用。また珪藻を飼料に活かす方途。同社の事業展開
を当欄でフォローしますし、同社のHPも覗いて見て下さい。
(宮﨑記)