9月29日 How are you doing?
【食品のミネラル不足が広がっているようです】
食品の微量元素、ミネラル(無機質)の不足が以前から問題視されています。
カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、リン、鉄、銅、亜鉛など
です。それらは野菜・穀物・魚肉などの食品(もちろん加工品も含めて)に固有の
成分割合で含有されていて、それぞれが身体各部のかけがえのない機能を果たし
ています。もちろん各種ビタミン類とともに。そして、そのどれかが欠けると、
身体は正常に機能することができなくなります。病気の元です。従ってそれら
ミネラルやビタミンを不足することなく、バランスよく摂ることが大事です。
以上は、食に関心のある消費者は常識として知っています。例えばカルシウム
が欠けるとどうなるか(骨粗鬆症など、ですよね)、マグネシウムが欠けるとど
うなるか(動悸、不整脈、神経過敏、鬱病、糖尿病など)・・・細かい情報までは
確と頭に入ってはいないという人もいるでしょうが。
ネットでも調べるとすぐ分かります。カルシウムとマグネシウムは強く関連し
合っているとかもあって、興味深いです。私も頭にきちんとは入っていず、折に
触れて確認しています。
そのミネラル分を、例えば野菜や果物の場合、どうやって細胞内に取り込むの
か。いわずと知れています。土中の肥料成分からですよね。ところが窒素・リン・
カリウム(肥料の三要素)から成る化学肥料ばかりで育てた産物は、土中にある
天然のミネラル分が不足しがちになります。
このことは有機農業が脚光を浴び始めた昭和50年代あたりから指摘されまし
た。堆肥とか、さまざまな有機物(米糠、大豆かす、ビールかす、魚粉、牡蠣殻、
木材チップス、食物残渣、海鳥の糞などなど)を混ぜた有機肥料を施用すること
により各種ミネラルが補給され、栄養価の高い、かつおいしい産物が取れると。
さて一方、食品中のミネラルやビタミン類などの食品成分は、文部科学省科学
技術・学術審議会資源調査会分科会による報告が一つの基準として示され、順次
改定されてきていて、現行のものは「五訂増補日本食品成分表」(平成17年1月)
です。ちなみに「四訂日本食品標準成分表」の報告は昭和57年10月で、五訂に
至るまで何度も“増補”的な報告がなされています。
その四訂あたりから、例えばホウレンソウのカルシウム分が、市販品は成分表
基準と比べ、年々不足傾向にあると専門家は指摘していました。でも、ほとんど
注目されないままでした。私もいろんな場で発信しましたが。その問題より農薬
の危険性、その後、小若順一さんが先頭に立って問題提起した輸入オレンジなど
のポストハーベスト(収穫後)農薬の問題などの陰に隠れていた感があります。
その小若さんが代表を務める「NPO法人 食品と暮らしの安全基金」が、近年、
各食品のミネラル不足が目立つとして、機関誌『食品と暮らしの安全』でかなり
前から市販の弁当を試買するなどして実態調査をしてキャンペーンを張っていま
す。ミネラル不足はもう看過できないまでに酷い状態にあることを明らかにして
いて、キャンペーンは高く評価されるべき実績を上げています。
同誌2012年10月号では、市販のポテトチップスを俎上に乗せ、マグネシウム
やマンガンが大きく基準を下回っている実態を明らかにしています。
同誌、あるいはこのキャンペーンに興味のある方、同誌の購入などにつき問い合
せるよいでしょう。連絡先は次です。同NPO法人の電話:048-851-1212
(9/29 宮崎記す)