9月9日 How are you doing
【認知症300万人というショック】
最近の、私にとっての一番のニュースは「認知症が急増し300万人を超えた」
というもの。厚労省の調査発表(8/23)で明らかになったとメディアが一斉に
報じた。ロンドン五輪後も忙し続きで、ブログできずにいましたが、書かずには
おれない、ということで。ビールは気が抜けても、この問題は逆なので。
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以前はボケとか痴呆症とかいっていたが、医学的に「認知症」と表現すること
がやっと定着したようだ。脳の病気で、記憶障害などが起こり、アルツハイマー
型や脳血管性、レビー小体型など様々なタイプがあることが知れ渡ってきた。
10年前に150万人だったのが、予測を上回り現在300万人を超えた、という
のが厚労省の発表。その急増は、この病気がよく知られるようになったことにも
一因があると同省は見ている。その通りだろうが、これでは現状把握が甘すぎる。
認知症の医学的な原因はまだ究明されていないが、医学的側面以外の、時代現象
や背景も見て原因を押さえようとすることが、大事ではないか。今後の対応策を
講じるにはそれが欠かせないはずだ。
厚労省の現状把握は、まるで他人事のようだ。だから、今後の対応策も「発症
間もない高齢者宅を看護師などの専門職チームが訪問し、支援する」という生温
さである。どうして、「改善し、できれば治すことを目指す」目標を掲げ、行政
としての施策を考えないのだろう? やっぱり他人事じゃないか。
× × ×
ある老人施設が「認知症患者を治す」という評判をとっているというので見学に
飛んでいったのは、もう10何年も前のこと。施設長の説明で元音楽教師がピアノ
を毎日弾いて(ピアノをあてがい)、風呂も好きな時間に入れ、食事も好きな時間
に食べられるようにし(つまり管理せず)、そうした結果、彼女の病気が治ったこ
とが解り、彼女と直接話もし、感動したことを覚えている。
医者
も、沢山の患者の症状を改善し(患者サイドからは治ったという人も数多く
いる)、医師会もそのことを認めていることを先日のNHKニュースで知った。
そう、認知症を改善する(治すことを目指す)という行政目標も、施策も立てら
れるではないか。
国民医療費が30兆円を超えてしまった今日、これをいかに抑制・削減するかが
いま最大の社会的・国家的課題であるはずなのに、“一体改革”の政治課題に対し
てさえ、その財源をどうするかにのみ政治家も官僚も目を向けている。呆れかえる
しかない。
病気を改善し、治し、否、その前に予防し、よってもって医療費を削減する基本
構図をいまこそ打ち立てなければ、と痛切に思う。
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話は飛躍する。戦後から昭和20年30年代には農薬も少なく、食品添加物も少な
く、その意味で私達はピュアな食品を摂ってきた。認知症はどれほどあったか?
その他の癌やら脳の病気やらはどれほどあったか? 私は、認知症の急増の一因は
現代の「農薬まみれ・添加物まみれ」の食品群にあるのは間違いないと見ている。
さまざまなストレスも膨張し続けてきて、病気を複雑にしているに違いないと。
さて、どう認知症に立ち向かうか。
厚労省の対応を見つつ、「民」でできることを私達は徹底追求していくべきだろう
と、NPOとして決意を新たにしている。 (9/9 重陽の節句の日に 宮崎記す)