2月12日 How are you doing
「食欲は理性に従うべし」とは、古代ギリシアの哲学者キケロの言葉。
そして、1か月も前、正月にバカ食いして腹を壊したとき、食欲の自制を
自らに誓った際、思い出しこの欄にも書いた箴言です。しかし、なかなか
自制が利かず、好きな煎餅を食っては意志の弱さにがっかりの日々です。
でも、夜食に食った煎餅などが翌朝目覚めたとき、腹に未消化で残って
いると、やっぱ夜食だけはやめたほうがいいなと。そして、できれば日中
の間食も控えたほうがいいがなあ、と繰り返し反省しています。
10年も前でしょうか、藤沢の「食研」(浅井まりこさん主宰)が主催した
大阪の開業医・甲田光雄医博による健康講座の話を、こうした反省の折に
ときどき思い出します。病院では、糖尿病などの入院患者を絶食療法によ
り回復させているという沢山の臨床例を挙げての話、また、3食腹一杯と
いう食事は最悪で「腹7分」の小食が健康作りに効果があるという実践者
のデータを引いての話が、頭にこびりついています。
それらの話は甲田先生著の『あなたの小食が世界を救う』(春秋社)に詳
しく書かれています。1999年の発刊ですが、中味は古びていません。おも
しろそうだと思われる方、特に肥満に悩んでいる方、ぜひ読んでみて下さい。
きっと参考になります。
今日久しぶりに読んで“使える”と思わされた箇所に1つ気付きました。
小食で実際にどんな“社会的効果”があるかという甲田先生試算と訴えを、
以下に要約します。
日本人が毎日食べるおやつの量を抑える「キャンペーン」をしよう!!
コーヒーやおやつ代に、仮に1日400円が消費されているとして、それ
を半分に減らせば、1日で200円、1年で73,000< /span>円が浮き、これを1億人
が実行すれば、ざっと7兆円が節約できる計算となる。
また、朝食抜きという小食を実行すれば(甲田先生は朝食抜きも小食の
1パターンとして推奨している=誰にでもではない)、朝食の費用を352円
(統計の数字)として、1億人ならば1日で352億円、年間で約13兆円の
食費が節約できる計算となる。
それで健康になるのだから、というわけです。医療費が30兆1900億円
(1999年)を超えていることも指摘し、政治家にもぜひ参考にしてもらう
よう念願している、と先生は書いています。
断食についても、次のような例を紹介しています。1億人の日本人が毎週
1回、“一日断食”を実行すると、仮に1日の食費を平均2000円とすれば、
1週で2000億円の食費が節約される計算。これを1年実行すると、1年で
約50週として年間10兆円という数字になる。甲田先生は、これを机上の
計算と片付けることなかれとし、こう書いています。
インドネシアのハビビ大統領は、昨年(1998年)7月5日、イスラム教
の教祖マホメットの誕生日祝いの席上で各国の来賓者たちを前にして大講演
を行い、「インドネシアの人口2億人の75%に当たる1億5000万の人々に、
毎週月曜日と木曜日に一日断食を実行するよう呼びかけたい」とスピーチし、
会場から割れるような拍手が起きた、と。
1998年、インドネシアでは米が不作で320万トンを輸入しなければなら
なかったが、講演のように断食が実行されれば約300万トンが浮く、という
現実があってのことだったと書いています。単なる空論ではなかったと。
断食はさておいても、おやつなどの間食半減、あるいは間食断ち、はわが身
に引き寄せて考えるべき話! と改めて思わされました。いかに、ご同輩。
(2/11 宮崎記す)