堤防をわざと低い「越流堤」にし水田を遊水地にする「治水法」がある

2月9日 How  are you doing

防潮堤を低く削り、遊水地を設ける発想に転換したオランダの国家事業に

刮目しつつ、日本は・・・と考えればポイントは、日本の河川の特殊性を踏まえ

ダムによる日本の伝統的「治水」体制をどう再編成していくか、ということ

になるでしょう。

ダムの限界といった問題や、ゲリラ豪雨の頻発といった近年の新しい問題

等々をクリアするには、一番合理的な方法は何か、専門的な検討がなされな

ければなりません。莫大なお金がかかる国家的事業なので、納税者の立場で

も考えないといけないな、と思いつつ、読売新聞の記事を読みました。

では、昨日の続きの記事、以下です。

 

 日本では昨年7月、「新潟・福島豪雨」で、遊水地が効果を発揮した。

 047月の豪雨による堤防決壊を受け、新潟県の刈谷田川(長岡、見附市

など)では、堤防の一部を23m低くした越流堤が昨年3月末、完成してい

た。豪雨時には上流部の水田に一時的に川から水を入れて遊水地化し、人口

が集中する下流部の水位を低くする。

 同川流域では過去の水害のデータから、「100年に1度の洪水=24時間雨量

360ミリ」とし、これに耐えられるよう約30年前に刈谷田川ダムが造られた。

しかし、04年豪雨は24時間で426ミリ(総雨量433ミリ)が上流に降り注ぎ、

6か所で堤防が決壊、長岡市中之島地域では自宅に取り残された高齢者3人が

水死した。

 水害直後、地元から上流での新ダム造成の要請が出たが、上流部の地質がダ

ムを造るにはもろく水田を遊水地として利用する案が選ばれた。91haの水田

が止める推量は刈谷田川ダムの毎秒約170トンを上回る約200トン、総事業

費は34億円と、新ダム新設より費用も工期節約できた。

 防災対策の想定を超えた東日本大震災を受け、自然の猛威を人工物ではね返

すだけでなく、柔らかく“受け流す”発想が、見直されている。(以下略)

                      (29 宮崎記す)