12月1日 How are you doing
今日夕刻、NHK・BSをふと見ると、キュリー夫人の放射線発見に
関する番組をやっていて、H・G・ウェルズの『解放された世界』に
触れる解説がなされた。インターネットで調べるとこの本、1914年の第一次
世界大戦勃発前に書かれ、1950年代と想定し格兵器による未来戦争
の惨劇を描いたSF巨編であると。
小説は驚くべき洞察であったわけだが、絶対にあってはならぬこと
が現実のものとなった。小説の想定の5年も前に、アメリカが広島と
長崎で蛮行におよんだのだ。第一次世界大戦~第二次世界大戦の間に
各国が原爆の開発競争に血道を上げていたという背景も見逃せないが、
当の研究者たちはどうだったのか? 当然のこと「原爆とは何であり、
どれほどの破壊力をもつのか」を知り、「人類を破滅させる超兵器で
あること」を認識した上で、開発を進めたに違いあるまい。
NHK番組の解説者は、「研究者は原爆は作っても使用されることは
ない、抑止力としてのみあるもの、と信じて仕事に従事していた」と
断定的に述べていた。
果たしてそうであろうか? 科学者の性向や本質をそう単純に見ては
なるまい。科学者にも「狂気」がきざすはずだからである。
いうまでない。アメリカの蛮行も狂気である。そして『開放された
世界』に結局、人類は学べなかった。
恥ずかしながら、私はまだこの本を読んでいないが、「時代の狂気」
について、また「人間の狂気」について考えながら「過去の未来小説」
を読んでみるのもいいだろう、そう思い早速手配した。
(12/1 宮崎記す)