「農」の可能性は無限~東電福島原発事故の放射能汚染農地で何をつくるか

7月31日 How are you doing

放射能汚染農地では、ひまわりなどを栽培し、セシウムなどの放射性物質を吸収させて
浄化させる方法の有効性が説かれている。
ひまわりと、他に何が有効なのか、早くその情報を総点検し明らかにしないといけない。
次に、それらをどの地域でいつから、誰がどのように栽培するか、栽培計画を作ること。
そして、栽培した作物をどう利用するか、有機質を生かしてバイオエタノールを作ったり、
プラスティックを作ったりといった工業化のプランを練り、そのためのプラントを建設する
プロジェクト計画を作ること。そのプロジェクトをどう実施するかまで含めた計画をである。

いまこそ、そうした知恵を結集しないといけない。農水省よ、農学者さんよ、頼みますよ。
とまずは言っておこう。  いや、企業も含めていろいろ検討中だとは思うが。いや、我々
NPOの出番でもあるのだが。
復興基本計画が政府決定され発表されたが(7/29)、それはあくまで総論。放射能汚染
に対する「除染法」を含めた各論はこれから発案されるのだろうが、基本計画自体が予算
をどう確保するかという観点を押さえようとするあまり、大きな「新しい国造り」のビジョンが
示されていないように私には感じられるのだが、どうだろう。それを明確にするためにいま
必要なのは基本計画を俎上に乗せ、国民的議論を巻き起こし、議論を通して基本計画に
肉付けし、薄味で霞んで見えるビジョンを「国民の力」で、味わい深いどこからでも見える
「強固なランドマーク」に作り上げることだ。

ひまわりなどを用いて除染をしつつ新しい産業を興す、という冒頭のプロジェクト案は骨太
のビジョンの中の柱を成す各論となるべきもの。いや、「農業」の可能性は無限大である。
そのことを忘れず、いまこそ知恵を出し合っていかないと。
有機物とは、一部例外の物質はあるが、端的にいえば「C(炭素)」を含んだ物質(CO2は
無機物)である。ひまわりも、ひまわり油を取るその種にも、もちろん「C」が含まれている。
いや植物はすべてそうである。そのことを忘れず、知恵を絞り合っていきましょう、ご同輩。

7月14日付けの日経新聞朝刊に「C」の利用に関する次のような記事が出ていました。少し
古いですが、参考までに全文を転記します。
<2010年にノーベル化学賞を受賞した根岸英一・米パデュー大学特別教授らが中心とな
って二酸化炭素(CO2)から化学品や医薬品を作る国の研究プロジェクトが計画されている
ことが13日、都内で開催されたノーベル賞シンポジウム「化学の未来」(日本経済新聞社
主催、帝人グループ特別協賛)で明らかになった。産学が連携し植物の光合成の仕組みや
新触媒を10年ほどかけて研究し、温暖化の原因となるCO2の削減を目指すという。
根岸氏のノーベル賞受賞成果で、触媒を使って効率よく炭素結合を促す「クロスカップリング
反応」を利用する。研究費の総額や研究期間、参加する大学や企業については文部科学省
や科学技術振興機構が現在、詰めている。
CO2は化学的に安定した物質で、炭素を取り出して化学品や医薬品の原料として利用する
のは難しい。有効利用する際にヒントになるのが、太陽光を使ってCO2と水を原料に酸素と
糖(エネルギー)を作り出す植物の光合成。プロジェクトでは光合成の詳細な仕組みを解明し、
新たに金属触媒を開発、光合成よりも4倍も効率のよい化学反応を実現する。>
                                   (8/1 宮崎記す)