体内に取り込まれた放射性セシウムはどう代謝されるか

5月2日 How are you doing

そもそもヒトの身体は、ヨウ素などの放射性物質を体内にもっている。
それが減ると、今回のような原発事故のとき、大気中に放出される
放射性ヨウ素を体内に取り込みやすいので、普段から、ヨウ素を含む
昆布や海草を食べよう--という情報を、まあ理屈は別にして賢明な
対応策である、としてそれを実践してきた自分がいる。

原発事故を機に、放射性物質に関しいろいろ調べなければならなくなり
情報のアンテナを張り巡らしている。で、ヨウ素の疑問は、上の理解で
まあまあ良い、つまりヨウ素は身体がもつ27種(といわれていると私は
理解している)の元素の1つで、普通甲状腺に集中しているそうで、その
”平衡状態”を保っておけば、原発事故で増えた大気中のヨウ素を吸い
込んでも、甲状腺がもう受け付けない(必要としない)メカニズムが発揮
されると、多角的に情報を仕入れたいま、そう理解している。科学的説
明ではかならずしもないだろうけれど。そのヨウ素は半減期が8日である
ことも、しっかり頭に入っている。

では、半減期が30年と長いとされるセシウムは、体内で糞などに混じり
対外へ出るなど身体の代謝によって相当量が排出される、という情報は
メディアにより繰り返し耳に入った。では、そのメカニズムは?というのが
重要な疑問点であった。4/27の読売新聞にその答えの大概を発見でき
た。杉浦紳之(のぶゆき)近畿大学原子力研究所教授の解説だ。原文を
引く。以下だ。

一般に言う「半減期」は放射性物質が放射線を出す能力(放射能)が半分
になる期間のこと。今回の事故後、放射性ヨウ素131は約8日、同セシウ
ムは約30年などと知られるようになった。
これらとは別に体内の放射性物質の量が半分になるまでの期間を「生物
学的半減期」と呼ぶ。呼吸や飲食で体に入った放射性物質は、すべてが
ずっと体内にとどまるわけではない。例えばセシウム137は体液などに溶
けていて排出されやすいので、生物学的半減期は100日ほどだ。人体への
影響については二つの半減期を考慮する必要がある。(中略)
体の中には自然界にある放射性物質がいつも存在しており、成人男子の
場合、カリウム40などが7000ベクレルほどの放射線を出している。この
ため年間0.3ミリシーベルトほど体内で被爆するが健康には影響しない。
内部(体内)被爆は怖いイメージがあるかもしれないが、こうしたことを知る
と安心につながると思う。摂取や出荷が制限されていない食品を心配する
必要はない。                        (5/2  記す)