放射線の発ガンリスクは、100ミリシーベルトで受動喫煙並み

4月27日 How are you doing

表題の記事が日経新聞4月25日朝刊にある。さあ、この記事をどう見るかだ。
情報リテラシーが問われる重要な記事だが、専門的過ぎて、んん?んん?の連続。
多角的に、自ら調べ、自ら記事の真偽の判断をするしかない、またまたの難問。
全文を移入しておこう。以下の通り。

放射線を健康に影響が出るとされる100ミリシーベルト程度浴びた場合でも、がん
の発生するリスクは受動喫煙や野菜不足並みに止まることが、国立がん研究
センターの調べでわかった。肥満や大量の飲酒、喫煙に比べると低い。低線量
による放射線による健康影響を考える上で、ひとつの目安になりそうだ。
広島、長崎の原子爆弾で被爆した人のうち約4万4000人が、その後、どの程度
の割合で肺がんなどを発症したかを長期間にわたって追跡調査した放射線影響
研究所などの論文と、国立がん研究センターなどが実施してきた生活習慣による
がん発生リスクの疫学研究とを、同センターの津金昌一郎・予防研究部長らが、
比較検討した。
原爆で100ミリシーベルトの放射線を浴びた集団は、浴びていない集団に比べてがん
になるリスクが1.08倍だった。生活習慣によるリスクと比較すると、1日1箱たばこ
を吸う夫を持つ妻が受動喫煙でがんになるリスク(夫が禁煙の妻と比較して1,02
~1,03倍)や野菜嫌いな人のリスク(野菜を食べる人と比較して1,06倍)よりもわ
ずかに高い程度だった。
肥満や運動不足、塩分の取りすぎなどでがんを発症するリスクは1,1~1,2倍程度
で、放射線を100ミリシーベルト~200ミリシーベルトを浴びた場合よりも高い。
一方、男性の喫煙者はたばこを吸わない人よりも1,6倍がんになりやすい。放射線
の被爆量で見ると、200ミリシーベルト浴びた場合のリスクとほぼ同じだという。
津金部長は「がんは様々な要因が複雑に絡み合って発症する。放射線リスクだけ
を気にしすぎないようにしてほしい」と話す。
以上である。

一つの比較ではあろう。疫学的研究といっても、データの比較が、例えていえば水
の何かと油の何かをある一面だけで突き合せてみるといった類のもので、単純に
倍率の違いだけを、がん発症のリスクの違いと捉えていいのかどうか。記者が大き
な溝を、えいやっと飛び越えて記事にした雰囲気が漂っている感じがある。というの
が私の情報リテラシーだ。まずは、津金部長に直接聞くことから真偽の検証をする
手順が思い浮かぶ。その機会をもちたいと願いつつ、宿題の一つとして念頭におく
ことにしよう。                        (4/27未明。宮崎記す)