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3月29日 How are you doing

原発事故がどんどんおかしくなってきた。3・11以来の新聞記事(切抜き)
を読み返せば、ほんとうに「どんどん悪化」である。「予断を許さない」との
条件つきで(今にして思えば逃げを打ちながらだったか)、たいした問題
には発展しないだろうとの政府アナウンス、識者のコメント、マスメディア
の報道であった。二重、三重、四重のセイフティネットが原発には施されていることが強調され、多くの国民がそう信じそう期待した。しかし、一抹
の不安があった。

枝野官房長官の発表ぶりが初めから<言い訳じみていた>。どこが、に
ついてはいちいち言わないが、明らかにそうであった。建屋が水素爆発し
吹き飛んだのがTVの映像で明らかなのに、長官は会見で長時間に渡り
認めなかった。菅総理の国民へのメッセージも被災者へのお見舞い優先
で、自らが鬼となってリーダーシップを発揮し、原発事故にも被災の救済
にも結果を出すという宣言でなく、頼りなげだったしもたもたした印象であ
った。案の定、特に原発事故の対応では、すべてが生温く後手後手だっ
た。なぜ、外部電源の確保に即乗り出さなかったか、通電して機器が使
えないこともあることを想定し、なぜ即代替品の準備をしなかったか、炉
心や使用済み核燃料の収納プールへの注水に、なぜ初めから真水を準
備しなかったか。これらのことを手詰まりになって次を準備するなどという
幼稚な対応でなく、事故後、すべてのことを即刻手を打っておいたなら、
28、29日になり1000ミリシーベルト/h以上という高濃度の放射能をもった
水が管理区域外に出てしまい、さまざまな復旧作業さえ出来ない状態に
などならなかったはずだ。とにかく3・11初日から、政府の対応が遅い、という危惧を私は強くもった。それが「一抹の不安」であった。

作業員が長靴も履かず修復作業をし、水溜りでくるぶしまで水に浸かり
重大な被爆をしたのは、現場での情報の共有が出来ていなかったため
だとか、28日に明らかになった管理区域外のトレンチとかいう坑道が漏
水で溢れんばかりになっているのを、作業員がたまたま見たら(といった
ニュアンスの発表)そうだった、といったおよそ信じられない話がぼこぼこ
出てくる。1000ミリシーベルト以上というのは、計器がそこで振り切れた値で
あり、それがどれほど高い数値であったか分からない、とのたまう。ふざ
けた話である。それ以上計れる計器を使って正確に計れ、と言いたい。

それもこれも、政府特に菅総理のリーダーシップの欠如が因、と言うしか
ない。日経新聞によると、「日本IBM」は地震発生後4分後に、保守部門
の遠隔会議システムが動き出し、1時間後には被災地・仙台事業所を含
む全国の拠点を結び状況確認が終わり、本社では災害対応で全権をも
つ全社災害対策本部が立ち上がったという。こうした企業の、またはボラ
ンティアなどの素早い行動も、対比的に政府の生ぬるい対応もこれから
さまざま検証されていくだろう。

では、いったいこの「どんどん悪化」はいつ収拾するのだろうか。あるいは
最悪のシナリオへ突き進むのだろうか。新聞で「あと2週間ぐらいで一段
落するだろう」という専門家のコメントを今日29日、初めて目にした。そう
祈って見守りたいと思っている。「首都消滅」だとか「日本沈没」だとかいう
悲観的過激な物言いや本のタイトルが目立つようになってきた。この威勢
のよさはなんだ。前回も書いたが、収拾か沈没か、どっちが本当なのか。
冷静に事態の推移を見極めていくしかない。いまも、そう思っています。

pm11:31  I’m  OK