ミカンの糖度を「人の勘」で見分けていた農家の眼力と光センサー

5月12日 How are you doing

熊本県芦北町田浦の「鶴田有機農園」(鶴田ほとり社長)から、嬉しいミカンのプレゼントが届きました。
鶴田社長の義父・源志さん(故人)が、一生を賭けて築き上げたミカンの有機栽培が、息子の志郎さん
と妻のほとりさん、そしてそのご子息によって継承発展させられているのが同農園。凄いノウハウです。

ネットで検索し、ノウハウの全体を、そしてこだわり生産の心を、読み取っていただければ嬉しいです。
農園の基礎を築いた源志さんの生き方に感動し、その半生記を『甘夏に恋して』のタイトルで私宮崎が
物語にし上梓しましたが(コープ出版。残念ながら今は絶版)、そのご縁でお付き合いが続いています。

ミカン箱に、ほとりさんからのお便りがいつも入っています。「ミカン山便り」がそれ。楽しみながら丹精
こめてミカン作りをする生産者の顔や、美しいミカン山が見えるような、爽やかな素敵なエッセイです。
長年のエッセイが本にもなっています。今回のお便りでは、農家の職人技の凄さに驚かされました。
ファンの皆様にもぜひ読みいただきたいと、即刻、紹介することにしました。以下、全文です。

<当園は、ミカン山の中に小さな小さな選果場があります。この時期、まわりに植えられた桜の開花を
確かめ、うぐいすの鳴き声を聴きながら出荷作業に追われます。今年、その選果荷作りに大きな変化
がありました。長年の念願だった「光センサー付き選果機」が導入されたのです。
 大小さまざまな十五、六種類のミカンを何なくサイズ別に分けていく機械の能力に目をみはる思いです。
ひとつひとつサイズ板に当てて分けていた作業から解放され、大変楽になりました。
 そして気付くこともありました。光センサーが設定された糖度や酸をキャッチし合格ラインに乗せてくる
のは、私たちが長年、目で培ってきたおいしそうなミカンと全く一致していることでした。
 今までなかった機械の音にうぐいすたちの鳴き声はかき消されます。でも機械が止まった瞬間、フワー
ッと山々の静けさと鳥たちの声がいっせいに私たちの耳にとどくのが新鮮な毎日です>
                                               (5/12 宮崎記す)