3月11日 How are you doing?
【V・フォーテネイス氏の認知症予防法について】その3を、書きます。
その1と2で、アルツハイマーを含む認知症の予防には抗酸化食品を摂る
こと、体内ではインスリンが重要な働きをしていることが、氏の著書で明示
されました。その3は、インスリンがどのように大事であるか、なぜ大事で
あるかについて関連箇所を著書から抜き書きし確認することにします。
(※以上、宮崎注。予防を実践するために一時も忘れてはならぬぞ、と言い
聞かせなければなりませんので。)
●まず、インスリンとは・・・膵臓から分泌されるホルモンで、カロリーの貯蔵
を促進し、脂肪を蓄え、身体の血糖値を調整する物質です。体内のインスリン
が多すぎると、疲労を感じ、太ります。逆に少なすぎると、具合が悪く弱って
いるように映ります。インスリンが正常範囲なら(バランスが取れていれば)、
気分は最高、健康的で、頭もはっきりして長生きします。
血液中の糖、つまりグルコースが増えると神経や目、肝臓、心臓の毛細血管
に障害が起こり、太い動脈が厚く硬くなって動脈硬化が起こります。
●インスリンが正常値を超えると脳にいくつかの影響が出ます。まずインスリ
ンを抑制し、グリコースを減らすために脳が作り出す酵素が活動し始めます。
これはインスリン分解酵素であり、脳から有害なアミロイド・タンパクを除去
する役目を持っています。
問題は、インスリン値と血糖値が制御できなくなると、インスリン分解酵素
が形成されてくるアミロイド斑や神経原線維のもつれ――アルツハイマーの病
状そのもの――を排除するのではなく、インスリンを除去するために過剰に働
くようになることです。インスリンは値が急激に上がると、脳内の回路を混乱
させ、結果的に脳が動かなくなります。心理学ではこのプロセスをブロッキン
グ(阻止現象)と呼びますが、脳のフリーズ状態、つまりブロッキングによって
最も影響を受ける脳の部位は、脳の学習と記憶の中枢である海馬です。
こうして増えたアミロイド・タンパクは神経細胞膜やミトコンドリア(エネル
ギーを生み出すエンジン)や細胞核そのものを攻撃する有害なフリーラジカルを
生み出します。この脳の損傷は、脳そのものの防衛細胞である大膠細胞を刺激し
て、損傷した細胞を攻撃するようになり、それによってアルツハイマー病で起こ
るような細胞の損失を引き起こします。
脳にアミロイド・タンパクを蓄積するのを防ぐコツはインスリン値のバランス
を取ることです。 (3/11 宮崎記す)