帰国しました、また書いていきます

11月7日 How are you doing

 10月24日成田発、同日夜ヘルシンキ経由ウイーン着。そして1昨日11月5日、帰国。
3家族で、ウイーンのアパートを借りて11日間、音楽漬けの滞在ツアーをしてきました。
楽友教会でウイーンフィルのコンサートを1つ聴き、国立オペラ座などでオペラを3つ観
て思いっきりブラボーし・・・併せてベートーベンハウスやモーツァルトハウスなどを訪ね、
天才作曲家たちの足跡をたどってみました。1日だけチェコのプラハへも足を延ばして、
プラハ城やモルダウ(ブルタバ)川の流れを見、スメタナやドボルザークらの名曲を生ん
だ揺籃へ思いを馳せました。
 それぞれの時代を生きた彼らの息遣いが少し感じられた気がします。ハイリゲンシュ
タットのベートーヴェン小路を歩いてみて、彼が散歩しながら想を得たという「田園」と、
モルダウ川岸のスメタナ像を抱いてみて、スメタナの祖国賛歌である「モルダウ」が特別
な愛着をもって私の脳裏に焼きつき、一段と好きな曲になった気がします。そして、そうし
た体験によって「音楽の都ウイーン」の実相が少しつかめたように思えます。
 それにしても、不世出の偉大な音楽家多数を生み育て、チェコを含めヨーロッパじゅう
から音楽家たちを引き寄せて止まなかったウイーンの魅力はいったい何だったのだろう、
と思いを巡らしています。

 ウイーンには国立オペラ座を頂点に、中小のオペラ座がいくつもあり、年中さまざまな
オペラが上演されていて夫婦で、また子供連れで市民がそれらを観に来ていましたし、
一方、ウイーンフィルを頂点にした楽団が沢山あって、それらの演奏会が毎日どこかで
行われ、それらのポスターが地下鉄やトラム(市電)の乗り場などに貼られていました。
美術展のポスター(例の太っちょ絵のBOTERO展とか)も目につきました。
 市中心部の中央公園には作曲家たちの銅像約80体(と聞きました)が網羅的に建立
され、また、ベートーヴェンやモーツアルトが暮らした家が当時のまま資料とともに展示
されていて、市民が普段に天才たちと心の交流ができる環境が整っていること、そして、
音楽が市民の生活の一部として浸透していること、をうかがわせました。
 ウイーンには、ハプスブルゲ家の王宮、シェーンブルーン宮殿(マリアテレジアの夏の
離宮)など中世から近世に至るヨーロッパ文明を形成してきた君主の権勢を当時のまま
伝える威容を誇る宮殿群があり、そこには贅を尽くした家具調度品、豪華絢爛の美術品
などが展示されていて、それらがそれを見物する市民の審美眼を洗練し、伝統美を重ん
じるオーストリアの国づくりに生かされているのだろう、と私は感じました。そうしたことが
ベースになり、市民が「音楽や芸術を大事する心」を養い、「音楽や芸術」が市民の日常
生活に溶け込んでいるのだろうと思います。

 ウイーン体験が、いま頭の中で茫々と広がっている感じです。このままどう熟成するか、
しばらく見守っていようと思います。
 帰国後、すぐご飯を炊いて「お茶漬け」で食べました。そのご飯の美味しかったこと!!
このご飯の味のことを新たに頭に入れ、「文化」というものについて反芻してみています。
 しばらくこのサイト、休載しましたが、この間にもお読みいただいたファンの方々に感謝
いたします。またお付き合い下さい。『自然と生きる』の方もぜひ。
                             (11月7日 宮崎記す)