「放射能汚染問題と向き合い、われら食と農を語る」分割連載9回目

8月31日 How are you doing

連載9回目

タイトル:「放射能汚染問題と向き合い、われら食と農を語る」

 主催:「NPO食と農」 後援:「財団法人都市化研究公室」

<討論者4人>

小若順一(NPO食品と暮らしの安全基金代表、市民運動家)

 澤登早苗(恵泉女学園大学人間社会学部 学部長 教授、農学博士)

 松下元之(NPO食と農監事、デュ・アン漢方スパ経営、薬剤師)

 宮崎隆典(NPO食と農理事長、ジャーナリスト)

NPO11年討論会

(写真は、左列奥から小若さん、時計回りの順に、澤登さん、松下さん、宮崎)
 

松下)先ほどもお話しましたが、うちの薬局では根昆布などの海産物を
販売しています。どういう影響が出ているのか、また今後、海産物はどう
なるのか心配です。

小若)爆発して出た放射性物質の過半は海に落ちています。原発敷地の
地表から下へ抜けたものも、じゃんじゃん地下水から海へ流れ出ています。
いま現在、放射性物質の新たな飛散は、福島を除いて、地上に関してはほ
とんど問題がなくなっています。農産物の危険は少なくなっていくと言え
ます。

しかし、海産物はこれからです。コウナゴから14400Bqの線量が検出さ
れて以降、高い線量のものが出ていない。これって一体何なのか。ボクは
出そうなものを測らなくなったからと見ています。出てくるデータを見る
と、出そうなやつを測ってないことが明白です。だから、高い値が出てな
いということですよね。消費者はみんな水産物を恐る恐る食ってますが、
私たちは用心して制限しています。

この前取材に行ったときのことです。事故前だったら「いわき寿司」へ
入って、好きなものを食ってました。でも、今度は、「かっぱ寿司」へ入
って、魚については鮮魚モノや止めて、冷凍モノが安全だからと、わざわ
ざまずい冷凍物を食う。でもあと
1年も経ったら、かっぱ寿司も危なくなる
でしょう。

松下)冷凍モノは輸入品だから安全というわけですね。

小若)遠くまで行ってわざわざ「かっぱ寿司」でもないけれど、やっぱ
りそっちへ行く。夜もよく分からない店へ行くと何を食わされるか分から
ないので、コンビニに行って埼玉県産の弁当を買ってくる。そして、わが
方で扱っているこのダシを入れて食うということになります。

それはともかく、海はもうムチャクチャに汚染が広がっているのは間違い
ありません。放射性物質では一番怖いストロンチウムが出ています。ストロ
ンチウムは重いから、上にはあまり飛んでいかなくて、地上では近くの農地
などで出ている。
20km圏外にはストロンチウムはありません。しかし海水
中に行くと、一番底にいる魚と貝類、エビやカニ類、昆布などの海草がすで
に汚染されているはずです。

 海産物には特別な問題があります。例えば貝類ですが、実を食ったあとの
貝殻をつぶして鶏の餌にしますね。鶏が食って次に糞が出て、それが肥料に
なり、日本のどこの畑にも撒かれる可能性があります。ストロンチウムが広
範囲にバラ撒かれることになる。そしてストロンチウムが、北海道や九州で
検出されるようになれば、日本農業は終わりですね。

ストロンチウムは白血病とか骨ガンをつくります。白血病は出るのが早く
て、ピークは
34年後とされています。

 宮崎)取り込んだら、100%ガンになるということではないということ
も頭に入れておくことでしょうねえ。

 小若)もちろん100%ということではありません。それでこの前、農水省
の総括審議官のところへ行ってこの話をしたら、「小若さん、基準以下だか
らね。ボクたちは福島の農産物を応援しているんですよ」と同意できないと
言うんです。

その後、2分ほどですが篠原孝農水副大臣に、貝や海藻などのストロンチ
ウムを畑に戻すと、日本農業がつぶれるので何とかしてほしいと陳情しまし
た。もちろん「わかった」という返事でした。

澤登、松下)小若さん、さすがのアクションですね。

小若)貝の問題のほかコンブもあります。コンブは、例えば北海道へもっ
て行って豚に食わしたりしています。

宮崎)野菜のミネラル補充のための液体資材にもなっている。

小若)汚染されたものが農業資材や堆肥としてあちこちで使われたら、ス
トロンチウム禍が広がることになります。

宮崎)篠原さんの発言をテレビで聞いていたら、彼は、デリバリーの問題
があって堆肥は地域内でしか移動しないので、そう心配はないと言っていた。
福島のやつは北海道へはもっていかないと。でも小若さんの話のようなケー
スがありうるし、海流に乗ってストロンチウムがあちこちの海域・海岸へ流れ
ていくことはあるわけでしょ。篠原さんの話はそのままは聞けないですね。

小若)ネットで売っているわけだから。ただ、汚泥肥料に関しては、県外
には出ないことになっています。地域内の汚染の高いところのものをより低い
ところへもっていけばいい。

宮崎)それも問題だけれど、流通に関しては法律か何かで規制されている?

小若)通知が出されています。

宮崎)ストロンチウムに関する申し入れはグッドでした。海産物の汚染調査
も水産庁がやるようにわれわれも何かアクションを起さないといけませんね。

澤登)役人はアイデアが涌かないのでしょうか? しっかりやって欲しい。
もっと積極的になってもらわないと。

小若)わがほうでは「日本の農地を放射能から守る会」というのを作ること
を決めました。会長は全国農団労の元委員長・岡田さんをトップに据えて、
1
間の予算も確保しました。放射能となってますが、ストロンチウムももちろん
含みます。

宮崎)その会は農地を守るとなっているけれど、海も含めないと。あれもこ
れもやれることをやらないと。

澤登)有機農業学会とも協同できるかもしれませんね。有機農業学会では、
先ほどお話した福島の調査報告書をホームページに掲載しています。

松下)福島の肉牛から基準値を大きく越えるセシウムが検出されたのには驚
きました。何なんですかね、どこかでチェックされてしかるべきなのに、いく
つものチェックポイントをすり抜けるというのは。

宮崎)暫定基準を引き下げようという話がでているときですからね。信じら
れないミスです。

澤登)外の餌料を食べさせたという情報があります。地下水の汚染もあった
のかもしれませんね。ないことを祈っていますが。

宮崎)さて、最後に、放射能汚染食品の時代をしばらく生きていくわれわれ
にとって、日常的に「食」にどう気をつけていくべきか、重複するかもしれま
せんが、最後のまとめの発言をお願いします。「食のここに気をつけよう」と
いうことで。

小若)3つ挙げましょう。1つは「食を守る」ということで「同族元素で放射
能を取り入れないようにしよう」。2つは「健康を守る」ということで「トロロ
昆布で放射性ヨウ素を防ごう」。
3つは「水を守る」ということで「放射性物
質を中空糸膜&活性炭で除去しよう」。

1つ目は、こういうことです。セシウムは体内には極く微量しか存在してい
ない元素ですが、全身に分布しています。この内部被爆を防ぐ方法として