算数もできないのか、君、ひっぱたくぞ

5月24日 How are you doing

東電が23日、福島第一原発事故機の2,3号機のタービン建屋などから高濃度
汚染水を受け入れている集中廃棄物処理施設が、あと3~4日で満杯になると
発表したという。24日、新聞各紙がそう報じた。
<2号機からはこれまで約8800トンを同施設のプロセス主建屋に移送しており、
現在の毎時12トンを続けると4日で容量の1万トンに達する。3号機からは同施
設の雑固体廃棄物減容処理建屋に毎時20トンずつ約2900トンを移送、容量の
4000トンまで残り3日程度だ>(読売新聞)という。
こんなことは、汚染水を移送する計画段階から分かっていたはずではないか、
きちんと計算して始めたんだろう、東電さんよ。どこからか水が沸いてきて計算
が違った(雨は降っただろうが)わけでもあるまいよ。何か分からないが、移送を
始めてみて現況を調べてみたら、移送できる余地があと少しだと分かった、とい
う、まったく締まらない話ではないか。
新聞も新聞だ。そんな締まらない話を書くとは。手元でいま読んでいるのは読売
(一面トップ)だが、記事自体が締まらない。恥かしい記事だ。で、読売は、この
記事をこう結ぶ。
<東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「漏出の可能性がある部分は対
策をとっており、移送が中断しても、タービン建屋に汚染水をためておくことがで
きる。梅雨に入り、地下水の水位が上がることも見込まれるが、2,3号機に流入
して、汚染水が増える恐れは少ない」としている。また東電は23日、4号機の使用
済み核燃料一時貯蔵プールを支える構造を強化する作業を本格化させる。6月
中旬までに鋼鉄の支柱30本を立て、周囲をコンクリートで固めて7月末までに壁
(厚さ1~6メートル、長さ13メートル)を完成させる。>
東電は記者会見で発表したに違いないが、記者は、なぜ「移送を途中で中止しな
ければならない事態になるのは、水の入りと出を計算すれば、初めから計算でき
たはず。どうなっているのだ」と詰問しないのか。また、記事の最後の部分の壁に
ついては「なぜその工事をもっと早く完成させるよう早期着工をしなかったのか」と
正さなかったのか。

1号機が地震の約4時間後にメルトダウンしていたことを認めたのが5月12日だ
ったか。次々に何々がいま分かったという東電の発表。24日には2号機、3号機
も地震後100時間までの間にメルトダウンしたことがデータを分析しかったと発表
した。都合の悪いことは、発表を抑えておこう、という意図が垣間見えるし、東電の
発表の妖しさは政府も一心同体と見る方が自然。そう言えるのではないか。発表
を抑える、隠す、ことはイコール「嘘」である。
25日からフランスで行われるG8で、菅総理は原発事故をどう説明するのだろうか、
世界へ向けて、何かを抑えるか、隠すか、注目だな。  (25日未明 宮崎記す)